爽やかなアイスブルーに包まれた筐体は外観からして気分を高揚させるが、手に収めてみると程よいサイズ感と軽さに思わずにやけてしまう。背面に指紋センサーがあるので、人差し指で素早く認証できる。マスクが必須な出先では特に重宝するのだが、同時に備わる顔認証も案外使うものだ。
価格以上のニーズを満たすカメラ性能
素早いロック解除のおかげで、不意に訪れるシャッターチャンスを逃すことはない。背面は6400万画素のメインカメラ、超広角(800万画素)、モノクロ(200万画素)、マクロ(200万画素)の4眼構成。特にメインカメラの解像度は素晴らしく、ハイエンド並の美しい写真が撮れる。
写真は夜景・ポートレート・エキスパート・パノラマなどの基本機能はもちろん、逆光下でも人物を明るく鮮明に描く「Live HDR」や夜の光源を印象的に写すネオンポートレートなど秀逸なオプションも揃う。
夜景モードはとりわけ優秀である。写真はほとんど光源の無い夜道で撮影したものだが、街路樹の輪郭から葉のディテールまで見事に描写してみせた。ここで触れるべきは、この端末が4万円台のミドルレンジであるということだ。撮影欲を満たしてくれる魅力的なカメラは、今やハイエンド端末の特権でない。

夜景モードで撮影した街路樹。僅かな光源でもディテールを丁寧に描写する。PHOTOGRAPH BY QUEST
動画は4K撮影に対応するほか、アウト・インカメラを同時に撮影する機能も備えている。いずれにせよ望遠カメラがないのは最大のネックとなり得るが、そういう人に向けてOPPOは「Find X3 Pro」という別の選択肢を用意している。
使いやすさにこだわった「ColorOS」
「ColorOS 11」は、OPPO Reno5 Aを語る上で外せない特徴の一つだ。Android 11をベースにしたカスタムOSだが、使いやすさでは他社のOSと比べて群を抜いているように思う。
しっくりくるのは、まるでPCのようにアプリを管理できる「フローティングウインドウ」。ホーム画面の好きな場所にアプリを配置できるこの機能には、個人的には画面分割よりも直感的で心地よい印象を抱く。よく使うアプリを配置できる「スマートサイドバー」は画面の外に隠れていて、右からスワイプすると引き出しのように見開くことができる。こちらも頻繁に使うようになった。
「プルダウンジェスチャー」機能では、ディスプレイの下端から上にスワイプするだけで、ホーム上の全アプリが指の下に寄ってくる。最初は慣れが必要だが、6.5インチの大画面でも片手操作ができるこの機能はなかなか便利だと思う。
「バッテリーガード」機能ではユーザーの生活習慣を分析し、充電のタイミングを調整することでバッテリーの劣化を抑えてくれる。ゲームのグラフィック処理に特化した「ゲームスペース」は、メモリ開放や通知をコントロールできる集中モードなど、ストレスフリーな体験を提供。イヤフォンジャックも漏れなく備えている。
これらに加えて、3本指で下にスワイプするとカメラや写真に映っている範囲を自動翻訳できたり、3本指タップで押さえた部分をスクリーンショットとして保存したりと、使い甲斐のある機能は多い。Color OSには、それ自体が購入理由になるだけの魅力が備わっているのだ。

PHOTOGRAPH BY QUEST
安心して使えるスマートフォン
OPPO Reno5 Aは、国内ユーザー向けのサポートも欠かさない。日本向けで特筆すべきは、おサイフケータイの対応だ。近頃は何をするにも電子決済がスタンダードになりつつあって、現金を使わぬまま終わる日も少なくない。
アフターサービスも充実していて、画面割れを1回無償で修理してくれる「OPPO Care 画面割れ保証サービス」や店頭に行かずとも自宅配送で修理できる「集荷修理サービス」などがある。製品に関する問い合わせは電話やメールばかりかTwitterでも受け付けている。
繰り返しになるが、OPPO Reno5 Aは4万円台で購入できるミドルクラスのスマートフォンだ。しかし卓越したカメラ性能や4,000mAhのバッテリー、IP68の防水防塵、90Hzリフレッシュレートディスプレイといった性能を目の当たりにすれば、その位置付けを疑わずにはいられない。
性能と価格のバランスという点において、この端末は非常に良くできている。OPPOの中核を担うミドルレンジ端末は、高価格路線を突き進むスマートフォンの風潮に辟易してきたユーザーにとってまさしく「救世主」なのだ。

PHOTOGRAPH BY QUEST

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