FCNT合同会社は8月、 久々の新モデルとなる 「arrows We2」 とその上位機種 「arrows We2 Plus」 を販売開始しました。 今回使用したarrows We2 PlusはSIMフリーモデルに加え、 NTTドコモ、 au、 楽天モバイル、 UQ mobile、 そして各種MVNOと幅広い販路を確保。 これまでのarrowsのコンセプトを継承し、 手頃な値段で必要十分な使いやすさを実現しています。
FCNT合同会社 (以下、 FCNT) は、 「arrows」 や 「らくらくスマホ」 などの携帯ブランドを手がける企業。 2021年に富士通グループから独立、 FCNT株式会社 (旧FCNT) としてモバイル事業を展開するも経営不振に陥り、 2023年9月に中国・レノボ (Lenovo Group Limited) の出資で再出発していました。
2023年上半期には国内のAndroidスマートフォン市場で10%前後のシェアを維持していたFCNTですが、 経営破綻してからは半分以下にシェアが急落。 「arrows We2」 と 「arrows We2 Plus」 は、 FCNT合同会社として再起を図るための第一弾製品になるのです。
arrows We2 Plus M06 | ||
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メーカー | FCNT | |
発売日 | 2024年8月16日 (国内) | |
ハード | 質量 | 約182g |
サイズ | 高さ162×幅75×奥行8.5 (mm) | |
ディスプレイ | 6.6インチ pOLED | |
解像度 | 2,400×1,080 (FHD+) | |
リフレッシュレート | 60Hz/144Hz | |
バッテリー | 5,000mAh | |
充電 | USB PD (最大33W) | |
防水防塵 | IPX5/IPX8 (防水), IP6X (防塵) | |
インターフェース |
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ソフト | OS | Android 14 |
SoC | Qualcomm Snapdragon 7s Gen2 | |
RAM | 8GB (docomo)/12GB (SIMフリー) | |
ストレージ | 256GB | |
カメラ | リアカメラ |
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フロントカメラ |
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機能 | ネットワーク |
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SIM |
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センサー | 指紋認証 顔認証 指紋センサー (電源ボタン), 光学式脈拍センサー (背面), GPS, |
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その他 | NFC/Felica対応 ワイヤレス充電非対応 最大3回OSアップデート 最長4年間セキュリティアップデート |
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カラバリ |
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デザイン : シンプルかつタフネス
2021年に発売された初代 「arrows We」 は2万円以下で購入できるエントリーモデルとして注目を集め、 国内のAndroidスマートフォンでは最多の280万台以上を出荷するベストセラーになりました。
本年の 「arrows We2」 シリーズはその後継機種として、 価格は維持しながらも着実に性能を高めています。 特に上位モデルとなるarrows We2 Plusは6.6インチの画面にパンチホール型のインカメラを備えており、 これまでのラインナップとは一線を画すスタイリッシュな外観が特徴です。
本体は高さ162mm×幅75mmと、 最近のAndroidスマートフォンに多い縦長仕様。 重量約182g、 厚さは8.5mmに抑えられており、 大きさに比して片手に違和感なく収まるサイズ感になっています。
凹凸の少ない形状は堅牢性の確保にも大きく貢献しています。 arrows We2シリーズは、 米国国防省が定める軍事規格 「MIL-STD-810H」 に準拠。 FCNT独自のテストでは、 1.5mの高さから26方向でコンクリートに落下させる独自試験をクリアしています。
ディスプレイは1080×2400ドット(フルHD+相当)の6.6型有機EL。 1200ニトの最大輝度で日光下の視認性を確保しました。 リフレッシュレートは最大144Hzに対応し手織り、 後述のスペックも含め幅広い用途を意識していることがわかります。
右側面の電源ボタンは指紋センサーを内蔵しており、 指紋認証/顔認証によるロック解除が可能。 本体はIP6X等級の防塵性能とIPX5/8等級の防水性能を備えており、 ハンドソープを使った丸洗いやアルコール除菌にも対応しています。
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機能性 : 日本人向けに作り込まれたソフトウェア
arrows We2シリーズのOSはピュアなAndroid 14を採用しており、 Androidユーザーであれば慣れるのに苦労しません。 個人的に嬉しいのは、 Xperiaの 「サイドセンス」 のように画面の左右端からスワイプすることで登録したアプリを瞬時に呼び出せる機能( 「スライドイン機能」 )が備わっている点。 ソフトウェアの細かいところまでよく作り込まれています。
arrowsのユニークな機能として 「Exlider(エクスライダー)」 という操作システムがあります。 これは右側面の指紋センサーをタッチパッドのようになぞることで、 画面のスクロールや拡大/縮小操作ができるというもの。 画面は最大5倍まで拡大可能で、 細かい文字や画像の細部をしっかり見たい時に役立ちます。
NFC・Felicaにもバッチリ対応しており、 日常利用に欠かせない機能はしっかり押さえている印象です。
日本人ユーザーに特化した仕様といえば、 ジャストシステムと共同開発した日本語入力システム 「Super ATOK ULTIAS」 も欠かせません。 一般的なキーボードシステムと比べて入力履歴の学習精度に優れるだけでなく、 文脈に応じた正確な予測変換も可能。 ストレスフリーな文字変換がクセになります。
QWERTYキーボードでは上フリックで大文字、 下フリックで記号・数字の入力が可能。 メールアドレスのような英字・数字混じりの文字列でも、 キーボードの切り替え不要で簡単に打ち込むことができます。 ほかにも自分好みに機能をカスタマイズできたりと、 Super ATOK ULTIASは使えば使うほど楽しくなるソフトウェアキーボードなのです。
arrows We2 Plus(上位モデル)のみの特徴として、 カメラ下部に光学式の脈拍センサーを搭載しており、 プリインストールされている健康管理アプリと連携して、 自律神経の状況をチェックすることができます。 最大3回のOSアップデート、 4年間のセキュリティアップデートも保証されており、 サポート面は非常に充実していると言えるでしょう。
バッテリー容量は5,000mAhで、 Qnovo社の長寿命技術を採用することで4年後も劣化を抑えて使用可能としました。 外部端子はUSB 3.2 Gen 2 Type-Cで、 USB PD (Power Delivery) 規格の急速充電 (最大33W) に加え、 DisplayPort Alternate Modeによる映像出力にも対応します。
処理性能 : 同価格帯ではワンランク上
arrows We2 PlusはSoCにクアルコムの 「Snapdragon 7s Gen 2」 を採用。 メインメモリは8GB(キャリア版)ですが、 内蔵ストレージの一部を仮想メモリとして使うことで最大16GBまでの拡張が可能です。 内蔵ストレージは256GBで、 最大1TBのmicroSDカードを後から搭載することができます。
やはり5万円台という価格帯で上記のスペックを実現しているのが最大の特徴で、 競合製品と比較してもワンランク上の実力を有しています。
Geekbench 6
CPU Benchmark
Geekbench 6
GPU Benchmark
レビュー機を用いた実測ではGeekbench 6 CPU Benchmarkで 「519」 (シングルコア)、 「1607」 (マルチコア)、 GPU Benchmarkでは 「1748」 (OpenCLスコア)となりました。 重量級のモバイルゲームやグラッフィックアプリの動作は非現実的ですが、 日常用途であればストレスなく使い倒せる性能です。
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カメラ : この価格帯で文句なしの広角カメラ
arrows We2 Plusのリアカメラは5,010万画素の広角カメラ (F1.8) 、 800万画素の超広角カメラ (F2.2) で構成されています。 広角カメラには、 arrows初となる光学式手ブレ補正 (OIS, 静止画のみ) も搭載されています。
広角カメラで撮った写真は、 いずれも現実の色味が忠実に再現されています。 都会のビルを撮った一枚ではディテールの解像感が秀でており、 拡大すればビルの内部の様子がくっきりと見え、 潰れている箇所はほとんど見当たりませんでした。
「Super Night Shot」 では、 暗く写ってしまいがちな夜景をノイズが目立たないように明るく補正してくれます。 なかでも筆者のお気に入りはPhotoshopを経由し適切な補正を自動でかけてくれる 「Photoshop Expressモード」 。 こちらは夜景に限らず様々なシーンで気兼ねなく使えるのが強みです。
5万円台でここまで 「撮る楽しさ」 を感じさせてくれるスマートフォンは、 そうありません。 願わくば超広角カメラの画素数をもう少し増やしてほしいところですが、 あくまでスナップ用途と割り切って使うのを想定しているのだろうと汲み取れば、 非常に満足度の高いカメラと結論づけて良いでしょう。
総括 : シンプルだけど”尖った”スマートフォン
FCNTとしての再起を図った 「arrows We2」 シリーズは、 子供から高齢者まで幅広いユーザーに適合するシンプルなUIと操作性を引き継ぎながらも、 着実な性能アップにより競合機種と遜色なく張り合えるAndroidスマートフォンに仕上がっています。
特に上位モデルの 「arrows We2 Plus」 は、 5万円台という価格の制約下ながらカメラ周りやスペックに手が加えられており、 既存のAndroidユーザーにもリーチできる魅力が散りばめられています。
「Exlider」 や 「Super ATOK ULTIAS」 などはギークにも 「刺さる」 ユニークな機能となっており、 一度試してみる価値がありそうです。
arrows We2 PlusのSIMフリーモデルは59,950円(税込)。 NTTドコモ、 au、 楽天モバイル、 UQ mobileのほか各種MVNOで取扱があり、 割引キャンペーンを実施しているキャリアもあります。 こちらも併せてチェックしてみてください。
提供 : FCNT合同会社
SOURCE
「最大144Hzに対応し手織り、」➞「しており、…」では?