Soundcore Liberty Air 2 Pro の特徴・スペック
「Soundcore Liberty Air 2 Pro」は、Anker初のアクティブ・ノイズキャンセリング(ANC)を搭載した完全ワイヤレスイヤホンで、音質・機能性重視のLibertyシリーズでも「Liberty Air 2 Pro」に次いで上位に相当するモデルです。
12,980円(税込)という価格ながら、ノイキャン・ワイヤレス充電・急速充電・アプリ対応など必要な機能を漏れなく抑え、非常にコストパフォーマンスの高いイヤホンといえます。
低音寄りのドンシャリ系ですが、アプリと連携すれば豊富なイコライザープリセットを利用できるほか、使い手の耳に合わせて自動的に音をチューニングしてくれる「Hear ID 2.0」に対応。テックメーカーならではの利便性が光る一品です。
Anker Soundcore Liberty Air 2 Pro | ||
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メーカー | Anker | |
発売日 | 2021年1月20日 | |
質量 | イヤホン | 5g |
充電ケース | 51g | |
サイズ (実測) |
充電ケース | 60×60×28mm |
快適性 | 左右独立受信 | ○(BES LBRT) |
ノイズキャンセリング | ○(ANC) | |
外音取り込み | ○ | |
アプリ対応 | ○(Soundcore) | |
防水防塵 | IPX4 | |
ワイヤレス充電 | ○ | |
急速充電 | USB PD 15分充電で3時間再生 |
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Bluetooth | 5.0 | |
バッテリー | イヤホン単体 | 〜7h(ノイキャンOFF) 〜6h(ノイキャンON) |
イヤホン+充電ケース | 〜26h(ノイキャンOFF) 〜21h(ノイキャン ON) |
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音質 | コーデック | SBC・AAC |
ドライバー | ダイナミック(φ11mm) | |
周波数帯域 | 20Hz-20,000Hz | |
インピーダンス | 16Ω | |
ラインナップ | ブラック(A3951011) ホワイト(A3951021) |
価格
Soundcore Liberty Air 2 Proは1万円台前半の中価格帯に位置するTWSイヤホンですが、比較的安価なイヤホンが多いLibertyシリーズでは上位に相当し、14,380円(税込)の「Soundcore Liberty 2 Pro」の次点になります。
近い値段に11,858円(税込)の「Zolo Liberty S」や9,980円の「Soundcore Liberty 2」、同じく9,980円の「Soundcore Life A2 NC」があり、スペックや特徴が機種によって異なります。
スマホとの接続方法
Bluetooth経由でスマホと接続可能です。充電ケースの蓋を開くと電源が自動的にオンになるので、スマホ側のBluetooth設定から「Soundcore Liberty Air 2 Pro」の表示を探し接続します。
一度ペアリングをすれば、2回目以降は耳に装着するだけで自動的にペアリングを済ませてくれるので楽です。また、耳から外すと再生中の音楽がストップし、再び着け直すとその箇所から再生されるようになっています。
ケースのデザイン・大きさ
充電ケースは一辺6cmの角丸正方形、厚さ3cm弱とそこそこの大きさ。上蓋をスライドすると、左右のイヤホンが水平に収納されています。体部の周りが大きく溝になっているので、指をひっかけてイヤホンを取り出すのがラクです。
質感はマットで触り心地がよく、Pixel 5のようなストーン調の仕上げが高級感を醸し出します。ホワイトとブラックの2色展開ですが、今回は前者をチョイス。とはいえ、AirPodsのような完全な白ではなく、少しグレーがかったような色調です。
本体側面には、バッテリー残量を示すインジケーターがついています。LEDランプは3つで、100%ならすべて点灯、それ以外は30%、70%を境に一つずつ点滅する仕様です。
反対側には、充電用のUSB Type-Cポートとペアリングボタン。Type-CポートはUSB PD対応で、15分の充電で3時間再生できる急速充電が便利です。
表面と裏面
裏面はすっきりした見た目ですが、ここにワイヤレス充電用のモジュールが入っています。Qi対応のワイヤレス充電器なら、Liberty Air 2 Proをケーブル無しで充電することが可能。
Xperia 1と並べてサイズ比較。横幅はLiberty Air 2 Proの方がやや小さいかな。
iPhone 12 miniと並べるとさすがに大きさが目立ちますね。とはいえポケットには余裕で入りますし、掌に収まる程度にコンパクトなのは確か。重量もケース単体で51gと軽いので、持ち運びには困りません。
パッケージには、イヤホン本体のほかにイヤーピース(後述)とUSB A to Cケーブル、説明書も付属します。
イヤホンのデザイン・装着感
イヤホンは白を基調としたデザインで、完全ワイヤレスイヤホン(TWS)では最も多いスティック型の形状。柄の部分はメタリック仕上げに「soundocore」のロゴが刻まれており、ボクは好きですが、好みがわかれる点かもしれません。
Liberty Air 2 Proは本体のタップ操作に対応していて、デフォルトでは次のように割り当てられています。
左 | 右 | |
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ダブルタップ | 次の曲へ | 再生・停止 |
長押し(2秒間) | ノイキャン・外音切り替え | ノイキャン・外音切り替え |
一見ショートカットが少ないように思えますが、後述するコンパニオンアプリ「Soundcore」で、割り当てる機能をカスタマイズすることができます。
・音量小
・音量大
・次の曲へ
・前の曲へ
・再生・一時停止
・スマホの音声アシスタントを起動
・ノイキャン・外音取り込みモード切り替え
タップに反応する領域は柄の上方にあります。体部から柄が飛び出るような構造になっていて、装着時に指でまさぐることなく、感覚的に触れられるようになっています。
タップエリア
Liberty Air 2 Proは、着脱できるイヤーチップを採用したカナル型(密閉型)のイヤホンです。カナル型は密閉性が高く、音漏れが少なく音質にも優れるのがメリット。
一方で、圧迫感の強さから耳が疲れやすいという欠点もあります。このイヤホンが優れているのは、ノーズ部分を短く抑えることでイヤーチップの陥入を防いでいる点。ドライバーが耳の浅いところに収まるので、カナル型ながら密閉による不快感はほとんど感じません。
九条ハル
ノーズの形はAirPods Proにそっくりだから、当然付け心地も似るよねー…ってことは、2つ間の乗り換えor兼用もしやすいのかっ!?
イヤーチップの種類がめちゃ豊富
付属のイヤーチップは「XXXS・XXS・XS・S・M・L・XL・M+・L+」の9種類。さすがはAnkerと言うべきか、圧巻のラインナップです。これだけ豊富なら、自分の耳に合うサイズを見つけることができると思います。
その代わり、充電ケースがイヤーチップの形状にぴったり沿うように作られているので、他社製のイヤーチップに替えるのは難しそうです。イヤーチップマニアの方、残念…。
ノイズキャンセリング性能
Liberty Air 2は、Soundcoreブランドで初めてノイズキャンセリング機能を搭載したワイヤレスイヤホンです。Anker独自の「ウルトラノイズキャンセリング」を採用し、周いの環境に合わせて低減周波数や強度を自動で調節してくれます。
「Soundcore」アプリでノイキャンの細かい設定が可能
交通機関・屋内・野外などあらかじめ設定されたプリセットもあり、スマホの「Soundcore」アプリからシーン選択が可能。その実際はイヤホンの内外に設置された2つのマイクで周囲の雑音を検知し除去する「ハイブリッド方式」で、いわゆる”なんちゃって”ノイズキャンセリングとは異なる、確かな静音性を体感できます。
実際の使用感としては、雑音がすべて消えることは無いものの、かなり抑えられている印象です。さすがにAirPods ProやWH-1000XM3の遮音性には劣りますが、このイヤホンが1万円台前半で手に入ることを鑑みれば、相当頑張っている部類だと思います。とりわけ車の走行音みたいな低音域に対しては強い遮音性を発揮します。対して、自分の足音や荷物の音なんかはダイレクトに響いてきますね。
また、イヤホンを着けたままでも周囲の音を聞ける「外音取り込みモード」を備えており、タップor長押しでモード切り替えが可能です。外音取り込み機能のなかにも、全ての環境音を取り込むモードと、人の会話を明確にキャッチする「音声フォーカス」の2種類があり、Soundcoreアプリからそれぞれプリセットとして選択できます。
九条ハル
利用シーンに応じて様々なプリセットがあるのがポイントだぞ!!
アンタどうせ面倒くさがって使わないでしょ…
メロ
音質とイコライザー
Soundcore Liberty Air 2 Proは、この価格帯のイヤホンにしては珍しく、大口径11mmのダイナミックドライバーを搭載しています。Libertyはラインナップを通して低音強めの「ドン」シャリ音質が特徴的ですが、こちらも例に漏れずかなり低音域によった構成になっています。
ただし、無印の「Liberty Air 2」と比べて中〜高音域の解像度が向上しているのも確かです。低音・高音がハッキリと聞こえてくるので、感覚的にも音の良さを実感することができます。
大口径11mmのダイナミックドライバー
中音域はそれに比べてかなり控えめで、ボーカルの声が耳に突き刺さるような刺激感はあまり無いです。ゆえに音全体のバランスはやや不安定で、人によってはカスタマイズ欲をそそられるかも。
そう思って「Soundcore」アプリを開くと、イコライザー機能の充実さにびっくり。プリセットはなんと21種類もあり、ジャズ・ロックといった音楽ジャンルだけでなく、話し言葉やPodcastなど人声まで網羅しています。
21種類ものプリセットから選べるほか、カスタムプリセットの作成も可能
カスタム機能では、周波数特性をユーザー自身で細かく設定することが可能。設定したイコライザーをプリセットとして登録することもできます。
しかしながら、最も注目すべきはAnker独自のイコライザー機能である「HearID 2.0」です。周波数テストから使い手の耳に最適な音を自動で生み出す優れもので、2,3分の聴覚測定を実施すると、左右の耳で別々の特性プロファイルを作成してくれます。
使い手の耳に合わせて自動的に音をチューニングしてくれる「Hear ID 2.0」
バージョン2.0アップデートの成果として、作成したプロファイルをベースに音楽ジャンルに合ったイコライザーを追加できるようになり、利便性がかなり向上しています。ここはやはりテックメーカーならではのこだわりとして評すべき点で、音の調整を面倒に感じていた人も、これなら難なく(むしろ楽しく)音いじりを楽しめそうです。
九条ハル
九条的Liberty Air 2 ProのオススメはIDMとLo-Fi Pop!ドラム&ベースのエロさを存分に味わえるおよっ…!
正直、HearIDだけでも試す価値ありそうな気がするわ。
メロ
AirPods Proとの比較
Apple「AirPods Pro」
ボクが普段使っているアップルのAirPods Pro。イヤホンの形状は柄の長さを除けば両者ほぼ同等ですが、Liberty Air 2 Proの方がひとまわり大きい印象を受けます。
倍以上の価格差だけあって、音の解像度・立体感はAirPods Proの圧勝です。ただし、Liberty Air 2 Proもかなり喰らい付いています。AirPodsは全体的に音がフラットなので、ドンシャリのLibertyと、傾向で好みがわかれるかもしれません。
AirPods Proのノイズキャンセリングは他社の追随を許さないクオリティーで、Liberty Air 2 Proのノイキャン機能もこの次元には及びません。実際、使ってみれば誰でも気付ける程度の静音差があります。とはいえ、1万円台イヤホンの土俵でみれば、かなり優れているのは間違いありません。
バッテリー持ちはLiberty Air 2 Proの方が明らかに優れていて、体感ではケース込み・ノイキャンONで+3〜4時間くらい延びます。両者ともテックメーカーの作るイヤホンなので、利便性・取り回しの良さは非常に良いです。独自規格のlightningは使い手を選ぶので、PD対応のType-Cポートを備えるLiberty Air 2 Proは客観的にみて評価すべき点だと思います。
関連:ボクが今更AirPods Proを購入した理由
AirPods Proのレビューはこちら。記事をみる
他のLibertyシリーズとの比較
「Liberty」は、Soundcoreブランドでも音質・機能性に特化したシリーズ。いずれも安価ながら値段+αの音質を楽しむことができます。
Liberty Air 2 Proは無印「Air 2」の上位機種にあたりますが、後者が対応するaptXコーデックにはなぜか対応していません。おそらくBluetooth SoCが変更されたためで、iPhoneで使う分には全く関係無いですが、一部のユーザーからすれば悔やまれる点。
「Liberty 2 Pro」はaptX対応、11mmダイナミックドライバーに加えBA(バランスドアーマチュア)ドライバーを積み、バッテリー持ちもLiberty Air 2 Proより優れた上位機種です。価格も5,000円程度上がりますが、音質重視であればこちらを選択するのもアリ。ただしノイキャン非対応です。
1万円を切る「Liberty 2」は、ノイキャン・ワイヤレス充電等が省かれるかわりに、aptX対応、10mmドライバーを搭載し、価格以上の音質を得られる高コスパモデルとなっています。価格的にはLiberty Air 2 Proと近いので、コーデック・防水防塵・ノイキャンの有無などを参考に自分に合っている方を選ぶのが良いでしょう。
ここが惜しい!
aptXに対応していないことと、防水防塵がIPX4であること、この二点に尽きます。理由はいずれも下位機種であるはずの「Liberty Air 2」からスペック上”劣化”した点だから(Air 2はIPX5)。
ただ実際に聴いてみると、Liberty Air 2とは比較にならないほど音質で優れていますし、耐水性能の差に歯痒さを覚えるシーンも無いので、削られるべくして削られたと捉えるべきでしょうか。
タップ操作によるショートカットの割り当てについては、トリガーが「ダブルタップ」と「長押し」のみで、左右で最大4つまでとなっています。最近のTWSにしては少なく、ある程度割り切って使わざるを得ない点です。
しかし約13,000円で手に入るイヤホンとしては音質・性能ともにトップクラス。高級感のあるデザインも魅力で、価格以上の満足感を得られること間違いなしです。
九条ハル
しばらくはメインをAirPods Pro、Liberty Air 2 Proはサブで運用してみようかなー?
どっちか一つはわたしにくれるんだよね???
メロ
九条ハル
笑顔で迫ってくんのやめて…