昨年2月、 期待のなかで姿を見せた 「Galaxy S20」 は1,000ドル(約10万3,000円)という強気な価格設定で我々を驚かせた。 新型コロナウイルスが猛威をふるう中、 二度目のオンライン開催となった 「Galaxy Unpacked」 で新たに発表されたのは、 次世代Sシリーズとなる旗艦スマートフォン 「Galaxy S21/S21+/S21 Ultra」 だ。
性能の進化は僅かだが、 価格はリーズナブルに
今回は例年の傾向であったカメラ周りや撮影性能の目新しい機能がなく、 デザイン周りのブラッシュアップにとどまった。 むしろ注目すべきは、 各モデルとも昨年よりも低価格で提供される点。 最も廉価なGalaxy S21は800ドル(約83,000円)で、 昨年発表の 「Galaxy S20」 よりおよそ2万円程度の値下げとなる。
そのほか、 Galaxy S21+は1,000ドル(約10万3,000円)、 Galaxy S21 Ultraは1,200ドル(約12万4,000円)という構成。 1月29日のグローバル展開が予想されており、 例年の展開では少なくとも 「S21・S21+」 が日本国内で今春にも発売されると思われる。
国内の場合、 「S20 Ultra」 についてはKDDIが他2機種に遅れて発売したものの、 Felica非対応などグローバル仕様をそのまま引き継いでいるのが一部のユーザーにとってネックになっていた。 S21 Ultraの国内投入は未定だが、 前モデルの動向を踏まえるとFelica搭載モデルとして正式に発売される可能性があるかもしれない。
Image:Samsung
最上位の 「Snapdragon 888」 を搭載
3機種とも、 現時点でクアルコムの最上位チップにあたる 「Snapdragon 888」 を採用、 CPU性能は前モデル比で最大25%、 画像処理能力は35%上昇しているという。 メモリはS21 Ultraで12GBまで増強されており、 優れたパフォーマンスを保証する。
ディスプレイに大きな変更はないが、 リフレッシュレートの可変幅がS21・S21+で48〜120Hzと広くなった(従来は60〜120Hz)。 S21 Ultraはフル解像度での120Hz駆動を実現し、 10Hz〜120Hzの範囲で変動する。 これはすなわち、 使用場面に応じて画面の質を最適化することで、 バッテリーの消費が抑えられることを意味している。
バッテリーは小型のS21から順に4,000mAh、 4,800mAh、 5,000mAhで、 いずれも現行のスマートフォンでは大容量の部類になる。
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カメラが際立つ 「Ultra」
S21 Ultraの108メガピクセル広角カメラは相変わらず印象的で、 サイズを除けば他2機種とスペック上で最も異なる点と言える。 さらに本モデルでは、 12メガピクセルの超広角カメラに加えて、 10メガピクセルの望遠カメラをなんと2台も搭載してしまった。 望遠カメラは光学3倍と光学10倍ズームの構成で、 倍率に応じて2つのカメラを切り替えることで、 高画質な写真撮影を実現する。
また、 S21 UltraのみNoteシリーズでおなじみの 「S Pen」 に初めて対応。 Noteシリーズのように本体に収納することはできないが、 ペンホルダー付きのクリアカバーがオプションとして用意される。 年内に発売が予定される 「S Pen Pro」 は、 ペンから本体のリモコン操作が可能になるという。
スペック表
Galaxy S21 | Galaxy S21+ | Galaxy S21 Ultra | |
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画面サイズ | 6.2インチ | 6.7インチ | 6.8インチ |
解像度 | FHD+ (2400×1080, 421ppi) |
FHD+ (2400×1080, 394ppi) |
QHD+ (3200×1440, 515ppi) |
リフレッシュレート | 最大120Hz (48~120Hz) | 最大120Hz (10~120Hz) | |
エッジデザイン | フラット | エッジ | |
画面仕様 | ・Dynamic AMOLED 2X ・Infinity-O Display ・HDR10+対応 ・Corning Gorilla Glass Victus |
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背面カメラ |
3眼カメラ 超広角:12MP, F2.2(120˚) 広角:12MP, F1.8(79˚) 望遠:64MP, F2.0(76˚) スペースズーム:最大30倍 |
3眼カメラ 超広角:12MP, F2.2(120˚) 広角:12MP, F1.8(79˚) 望遠:64MP, F2.0(76˚) スペースズーム:最大30倍 |
4眼カメラ 超広角:12MP, F2.2(120˚) 広角:108MP, F1.8(83˚) 望遠1:10MP, F2.4(35˚) 望遠2:10MP, F4.9(10˚) スペースズーム:最大100倍 |
前面カメラ | 10MP, F2.2(80˚) | 40MP, F2.2(80˚) | |
プロセッサ |
5nm 64-bit Octa-Core プロセッサ (最大2.9GHz + 2.8GHz + 2.2GHz) もしくは 5nm 64-bit Octa-Core プロセッサ (最大2.8GHz + 2.4GHz + 1.8GHz) |
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RAM+ROM | 8GB+128GB 8GB+256GB |
8GB+128GB 8GB+256GB |
12GB+128GB 12GB+256GB 16GB+512GB |
バッテリー容量 | 4000mAh | 4800mAh | 5000mAh |
急速充電(有線) | 最大25W | ||
ワイヤレス充電 | ◯ (最大15W) |
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OS | Android 11 | ||
S Pen | × | ◯ | |
生体認証 | 指紋認証 / 顔認証 | ||
防水・防塵 | IP68 | ||
サイズ | 71.2 x 151.7 x 7.9mm | 75.6 x 161.5 x 7.8mm | 75.6 x 165.1 x 8.9mm |
重量 | mmWave:171g sub6:169g |
mmWave:202g sub6:200g |
mmWave:229g sub6:227g |
カラー | ・ファントムバイオレット ・ファントムグレー ・ファントムホワイト ・ファントムピンク |
・ファントムバイオレット ・ファントムブラック ・ファントムシルバー ・ファントムピンク Samsung.comのオリジナルカラー ・ファントムゴールド ・ファントムレッド |
Samsung.comのオリジナルカラー ・ファントムチタニウム ・ファントムネイビー ・ファントムブラウン |
価格 | 799ドル〜 | 999ドル〜 | 1,199ドル〜 |
発売日 | 2021年1月29日(現地時間) |
高性能ノイキャンが売りの 「Galaxy Buds Pro」
S21シリーズに次いで発表された新型ワイヤレスイヤホン 「Galaxy Buds Pro」 は、 アップルの 「AirPods Pro」 を強く意識したスペックとなっている。 「Pro」 たる所以は、 11mm径ウーファー+6.5mm径ツィーターのデュアルドライバ構成と、 進化したノイズキャンセル性能。 低周波帯では背景雑音を99%カットするという実力で、 昨年発売された豆型イヤホン 「Galaxy Buds Live」 の97%を超えるかたちだ。
Image:Samsung
Galaxyデバイス間における接続先の自動切り替えは、 「AirPods Pro」 や 「Beats」 シリーズがH1チップとiOS 14で実現したものに近い。 特筆すべき特徴は、 ノイキャン状態でも対人の会話を認識すると自動で環境音取り込みモード(アンビエントサウンド)に切り替わる機能で、 イヤホンを耳からとる手間なく会話や注文ができるとのこと。
サムスンがさらなる注目点として挙げたのは 「360 Audio」 で、 こちらはDolby Atmosコンテンツにおいて立体音響を再現したオーディオ体験を楽しめるというもの。 AirPodsの 「空間オーディオ」 を意識させる機能だ。
ほか、 Galaxy Buds Proは収録時のマイクとして使用できる 「ブロガーモード」 やオーディオの遅延低減に特化した 「ゲームモード」 (いずれもS21シリーズ)に対応するなど、 Galaxyデバイスとの併用でその真価を発揮する。
バッテリー駆動時間は本体が8時間で、 ケース込みで20時間。 アクティブ・ノイズキャンセリング使用時はそれぞれ5時間、 13時間となる。 5分間の急速充電で1時間の使用が可能だという。 本体カラーはブラック、 シルバー、 ヴァイオレットの3色が用意され、 今週金曜日に出荷が始まる。
サムスン版、 忘れ物防止タグも登場
Image:Samsung
発売が噂されるアップルの忘れ物防止タグ 「AirTag」 (仮)に先んじて、 サムスンが発表したのは 「Galaxy SmartTag」 と 「Galaxy SmartTag+」 の2モデルだ。 合鍵や財布にくくりつけることで、 紛失時にスマホ上から場所を確認できるというもの。 タグのボタンを押すことで、 スマホを鳴らすこともできる。
スマートタグの 「Tile」 や 「MAMORIO」 と同様のサービスとして、 他ユーザーのGalaxyデバイスがスマートタグの通信圏内にあれば、 Bluetooth環境外であっても持ち主に位置情報を通知してくれる。 ユニークな特徴としては、 サムスンのIoTプラットフォーム 「SmasungThings」 と連携し、 タグ上から対応するIoTデバイスのコントロール(ボタンを押して家の照明をつけるなど)ができるなど、 スマートリモコン的な使い方ができるのも魅力だ。
さらに、 上位モデルの 「Galaxy SmartTag+」 は空間的な位置情報まで把握できる超広帯域通信(UWB)に対応し、 例えばタンスの裏に隠れた財布をスマホ上のAR映像で教えてくれるなど、 従来の音声(ブザー)機能に増して便利な使い方ができるという。
Image:Samsung
今回発表されたデバイスの中で、 やはり注目はS Pen対応の 「Galaxy S21 Ultra」 と多機能なスマートタグになるだろう。 デザイン面ではカメラバンプを中心にS20シリーズから大きくブラッシュアップされ、 ファントムバイオレット・ピンクを基調とした美しいカラーラインナップとなった。
オンライン購入限定カラーの 「ファントムレッド」 (S21・S21+)や 「ファントムブラウン」 (S21 Ultra)も魅力的。 モデル比較ページから是非チェックしてみてほしい。
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