デル・テクノロジーズ(以下、 デル)は12月15日、 個人向けノートパソコン 「Inspiron 13 (5330)」 に、 インテルCore Ultraプロセッサーを搭載した新モデルを追加しました。 従来の第13世代 Core搭載モデルと併せて販売されます。
新モデルはブランドを刷新したインテルの次世代型プロセッサー 「Core Ultra」 (シリーズ1)を搭載する国内初の機種となり、 AI処理を中心に性能・省電力性が大幅に向上しているのが特徴です。
インテルCore Ultraプロセッサー搭載モデルはデルの公式サイトで12月15日よ受注生産の受付を開始、 即納モデルは1月下旬の提供開始予定となっています。
筆者は 「デルアンバサダー」 として新製品発表会に招待いただいたので、 発表会で明かされた新モデルの特徴、 新しいCore Ultraプロセッサーの詳細など、 イベントの様子を交えてご紹介します。
ノートPCラインナップ (Dell)
Gシリーズ | ライトゲーマーを意識したグラフィック強化モデル | |
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XPS | Plus | XPSの上位モデル |
デザインと性能にこだわったハイエンドシリーズ | ||
Inspiron | 7000 | 大衆向けミッドレンジ〜ハイエンド |
5000 | 大衆向けミッドレンジ | |
3000 | 価格を抑えたエントリーモデル |
国内初のCore Ultraシリーズ搭載モデル、 狙いは
デルは 「Inspiron 13 (5330)」 新モデルの発表に合わせて、 都内で発表会を実施。 コンシューマー&ビジネス マーケティング統括本部 本部長の横塚知子氏、 CSB PGTM プロダクトアソートメントプランナー兼コンサルタントの松原大氏のほか、 インテル株式会社 技術本部部長工学博士の安生健一朗氏がゲストとして登壇しました。
松原氏は、 Inspiron 13 (5330)のインテル 「Core Ultra」 シリーズ搭載モデルについて紹介。 Core Ultraシリーズは後述の通り独立したNPU(ニューラルプロセッシングユニット) AIエンジンを搭載することで、 AI処理性能が大きく向上しているのが特徴です。
発表されて間もないCore Ultraプロセッサーをいち早く採用した経緯については、 生成AIの存在がPC市場に大きな変革をもたらすとの展望から、 進化したAI体験をユーザーにいち早く提供したいとの思いがあったと説明。
Core Ultra(Meteor Lake)プロセッサーは、 新たに搭載された 「低電力アイランドE-Core」 を駆使することで低電圧化・バッテリー駆動時間の延長を実現しました。 「Inspiron」 シリーズは性能・価格の両面でバランスの取れたミッドレンジノートであり、 これらの特徴がブランドの性格にマッチしたと言います。
Inspiron 13 (5330)では、 従来の第13世代Core(Raptor Lake)シリーズに加えて、 「Core Ultra 5」 モデルと 「Core Ultra 7」 モデルの2機種を用意。 LPDDR5-6400メモリを採用し、 必要な転送速度を確保しています。
従来モデルに引き続きIntel Evo認証をサポートするほか、 ディスプレイは2560×1600ドット表示対応の13.3型非光沢液晶を採用しました。
本体カラーはプラチナシルバーに加えてライトピンクが追加され、 2色展開に。 米国国防総省が定める軍事規格 「MIL-STD-810H」 準拠の堅牢性も備えており、 こちらはInspironシリーズで初の対応となります。
- インテル(R) Core(TM) Ultra 5 プロセッサー 125H
- メモリ 16GB (LPDDR5x 6400MT/s)
- 512GB SSD、 Intel Arc グラフィックス
- Wi-Fi 6E
- 147,000円(税込)〜
- インテル(R) Core(TM) Ultra 7 プロセッサー 155H
- メモリ 16GB (LPDDR5x 6400MT/s)
- 1TB SSD、 Intel Arc グラフィックス
- Wi-Fi 6E
- 167,000円(税込)〜
- 公式サイト(受注生産モデル) : 12/15(金)発売開始、 到着3週間前後
- 公式サイト(即納モデル) : 2024年1月下旬提供開始予定 (Windows Home OS にてOffice搭載、 2色カラーなど計12構成)
- 量販店 : 12/15(金)より先行予約受付開始(Web/店頭受付) – 2024年1月下旬に販売予定
- 先行展示 : 『ビックカメラ 有楽町店』 にて12/16(土)よりCore Ultra 7搭載モデル(ライトピンク)を先行展示
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AI処理性能が向上、 Core Ultra開発の経緯
続いてゲストとして登壇したインテル株式会社・技術本部部長工学博士の安生健一朗氏は、 同日に発表された新しい 「Core Ultra」 プロセッサを紹介。 AI処理に特化したNPU(Neural Processing Unit)を筆頭に、 従来のCoreシリーズの構造・機能性を刷新し、 新たなシリーズとしてブランディングされました。
Core Ultraは5つのシリコン(ベースタイル・グラフィックタイル・SoCタイル・IOタイル・コンピューティングタイル)で構成され、 それらを束ねて各タイル間の通信を担う3Dパッケージング技術 「FOVEROS」 を技術的な核とします。
従来はCPU(Central Processing Unit)の周囲にGPUやメモリを配置するのが設計の基本とされてきましたが、 FOVEROSによる積層・集積技術がこの縛りを克服したことで、 ゼロベースのアーキテクチャ設計が可能になったと言います。
従来のCoreシリーズからの変更点としては、 内蔵グラフィックスがIntel Iris XeからIntel Arcグラフィックスになり、 グラフィックス性能が前世代のおよそ2倍に向上したことが挙げられます。 「Arc」 は元々外付けGPUのブランド名称で、 今回外付けに匹敵する性能を有するとしてこの名称が採用されたとのこと。
内蔵グラフィックスでは初めて8つのレイ・トレーシングユニットを搭載したほか、 グラフィックスのフォーマットは 「DirectX 12 Ultimate」 に完全準拠する高性能仕様に。
新たに搭載された 「低電力アイランドE-core」 は、 バックグラウンド動作などの低負荷な作業をコンピューティングタイルに代わって行うことで、 平均消費電力の節約とバッテリー駆動時間の延長を実現しています。
安生氏はクラウド経由を前提とする現在のAI利用について、 利用コストとユーザー増による 「クラウド待ち」 の問題を挙げて説明。 インテルはAI処理専用エンジンとも言えるNPUをチップセットに組み込むことで、 クラウドにオンデバイスのAI作業を組み合わせた新しいスタイルへのシフトを狙っているとしました。
画像生成速度は従来機の2倍を記録
発表会後に行われた実機デモでは、 生成AI 「Stable Diffusion」 における画像生成速度を従来機(第13世代 Core)と比較。 従来機が指示出しから生成まで約24秒かかったのに対し、 NPUを搭載するCore Ultraモデルは約12秒と、 およそ1/2に短縮されていました。
このほか、 NPUとWIndows Studio Effectを利用したWebカメラのフレーミング機能、 AndroidタブレットやスマートフォンをWindowsの拡張ディスプレイとして利用できる 「Intel Unison」 などの機能が実演されました。
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Inspiron 13 (5330) の共通スペック
製品名 | Dell Inspiron 13 (5330) |
---|---|
OS | Windows 11 Home, 日本語 |
ディスプレイ | 13.3インチ 16:10 QHD+ (2560×1600) 非光沢 非タッチ 300nits 広視野角ディスプレイ |
製品保証 | 1年間オンサイト修理保証 |
インターフェース |
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寸法/重量 |
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カメラ | 1080P (30 fps)、 フルHD RGBカメラ、 デュアルアレイ マイク |
マルチメディア | Waves MaxxAudio® Pro + Dolby Atmos Core対応ステレオ スピーカー、 2 W x 2 = 合計4 W 2.1デジタル オーディオ出力、 HDMI出力を使用 |
シャーシ | アルミニウム製外装シェル |
ネットワーク アダプター | インテル Wi-Fi 6E AX211, 2×2, 802.11ax, Bluetooth® ワイヤレス カード |
バッテリー | 4セル, 64Wh |
電源 | 65 Watt Type-C アダプター |
パームレスト | タイタングレー 電源ボタン 指紋認証リーダー付 |
SOURCE BY DELL
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