「OPPO Reno7 A」は、累計出荷台数130万台を記録した「Reno A」シリーズの最新モデル。サステナブルなスマホを目指したという本機種のコンセプトは「ときめき、長持ち。」で、36ヶ月使ってもサクサクな操作感を保つ「システム劣化防止機能」を備えているのが特徴だ。
大容量バッテリー、有機ELディスプレイ、90Hzリフレッシュレート、IPX8・IP6Xの防水防塵性能におサイフケータイなど機能面で欲張りながらも、価格は44,800円(税込)に抑えたミドルレンジの優等生。刷新された美しいデザインも魅力だが、カメラやスピーカーには課題が残る。
PHOTOGRAPH BY KUJO HARU
OPPO Reno7 A | ||
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メーカー | OPPO | |
発売日 | 2022年6月 | |
ハード | 質量 | 約175g |
サイズ | 約159.7×約73.4×約7.6 (mm) | |
ディスプレイ | 約6.4インチ AMOLED | |
解像度 | 2,400×1,080 (FHD+) | |
リフレッシュレート | 60Hz / 90Hz | |
バッテリー | 4,500mAh | |
充電 | USB PD2.0(18W)、ワイヤレス充電非対応 | |
防水防塵 | IPX8 / IP6X | |
インターフェース | USB TypeC、3.5mmオーディオジャック | |
ソフト | OS | Android 11 (Color OS 12) |
SoC | Qualcomm Snapdragon 695 5G | |
RAM | 6GB | |
ストレージ | 128GB | |
カメラ | リアカメラ | 48MP(広角) , 8MP(超広角), 2MP(マクロ) |
フロントカメラ | 16MP(広角) | |
機能 | ネットワーク | 5G、4GLTE |
SIM | nanoSIM×2+eSIM | |
センサー | 顔認証、画面内指紋認証 | |
その他 | Bluetooth 5.1、Felica対応、ハイレゾオーディオ | |
カラバリ | ドリームブルー、スターリーブラック |
流行のフラットデザイン
美しい流線形に光沢をまとった、薄青の筐体…。「Reno A」シリーズと言われて思い浮かぶイメージだ。ところが「Reno7 A」ではデザインが一新され、マットな質感にフラットな直方体という趣になった。
「Reno5 A」のアイスブルーは好みだったが、「Reno7 A」で採用となったドリームブルーの色合いもまた美しい。表面の細かい凹凸に当たった光が乱されるので、角度によって色味が違って見える。
側面(音量ボタン、SIMスロット)
下面(モノラルスピーカー、Type-C端子、オーディオジャック)
OPPO Reno7 Aはこれまでの「Reno A」シリーズから一転、エッジの効いたフラットデザインになった。PHOTOGRAPH BY KUJO HARU
カメラのデザインも変わり、よりクリーンな見た目になった。オーディオジャックは健在で、左側面に音量ボタンとSIMスロットが配されている。スピーカーはモノラルで、直聴きだと若干の物足りなさがある。
よりスリムに、バッテリーは大型化
見た目以外の変更点といえば、より軽く(約182g→約175g)、より薄く(8.2mm→7.6mm)、そしてわずかに幅がスリムになった(約74.6mm→約73.4mm)ことだろう。実感としては、先代の「Reno5 A」と比べて差はほぼ無いと言って良い。
一方で、バッテリー容量が4,000mAhから4,500mAhへと増えているのは興味深い。フル充電で最大39時間のオーディオ再生、20時間のビデオ視聴に耐えるとされ、実使用でも充電は寝る時の1回だけで事足りる。急速充電は18W対応と、最近の端末としては控えめな仕様だ。
OPPO Reno7 Aは約6.4インチの有機ELディスプレイを搭載。PHOTOGRAPH BY KUJO HARU
ディスプレイは先代の液晶から有機ELに戻された。サイズは約6.4インチで 、リフレッシュレート90Hzの滑らかな表示が魅力。ただしSoCにミドルレンジの「Snapdragon 695 5G」を採用しており、ブラウジングやゲーム等”モッサリ感”に悩まされる場面も多い。
内蔵ストレージは128GB、 外部ストレージは最大1TBのmicroSDXCに対応。メモリは6GBだが、内蔵ストレージの一部をメモリに割り当てられるユニークな機能が存在する。
パンチホール式のインカメラを左上に配する。PHOTOGRAPH BY KUJO HARU
欠点はカメラ
ミドルレンジのスマートフォンで弱点になるのは、大概カメラと言っていい。安価でも美しい写真が撮れる端末は、今や売り文句ではなく必須条件となりつつある。
それゆえ、実質的なスペックダウンとなった「Reno7 A」のカメラにはやるせなさが残る。メインとなる広角カメラは、約4800万画素。過度に露出を上げようとする傾向があるので、日中の写真は殆どが白飛びしてしまう。超広角カメラの方は色合いこそ美しいが、800万画素では無視できない画面の粗さがネックになる。
ポートレートモードは実用に足る仕上がりで、控えめなボケ感もあって違和感を感じるような作例はない。強いていえば、被写体のディテールをもう少し描写してくれたらと思う。
夜景モードは先代譲りで確かに優秀なのだけれど、減った画素数を補えるほど万能ではない(6400万画素→4800万画素)。真夜中に光る自販機を写した一枚は、よく見ると路面の質感や商品の詳細が潰れてしまっている。「Reno5 A」で撮影した街路樹の一枚と比べてみてほしい。
マクロカメラ(約200万画素)もついてるけど、残念ながら述べることはない。いっそのこと、マクロは廃してメインカメラの性能を上げた方が良いとすら思える。
日本向け仕様は継承
先代から好評のおサイフケータイは、「Reno7 A」でも引き続き搭載。IP68の防水防塵も継承している。指紋認証・顔認証は共に必要十分で、機能面は丁寧にカバーされている印象だ。
よく使うアプリをフローティングで起動できる「スマートサイドバー」機能。PHOTOGRAPH BY KUJO HARU
使いやすさに定評のある「ColorOS」もOPPOを選ぶには十分すぎる理由の一つ。ただしOppo Reno7 Aにプリインストールされる「ColorOS 12」はAndroid 11をベースにしており、現在グーグルが開発中の次期OS「Android 12」のサポートなど不透明な部分が残る。
総じて「Reno7 A」を手にとる最大の決め手は、デザインにあるかもしれない。安っぽさを感じさせないOPPO Reno7 Aの外観は、それだけで所有感を満たしてくれる。日常体験としての使い心地に重点を置いたOPPO Reno7 Aに、「Reno5 A」と異なる哲学を感じたのはボクだけだろうか。