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カメラ性能を極めた「Xperia PRO-I」は、プロユースの需要にマッチするか?

九条ハル

昨今の「Xperia」シリーズは、ディスプレイ、カメラ、そしてオーディオに至るまで、ソニーが得意とする技術をパッケージングしたスマートフォンといえる。そんなラインナップに加わるのは、カメラにフォーカスを当てたニッチな一台——「Xperia PRO-I」である。

昨今の「Xperia」シリーズは、ディスプレイ、カメラ、そしてオーディオに至るまで、ソニーが得意とする技術をパッケージングしたスマートフォンといえる。そんなラインナップに加わるのは、カメラにフォーカスを当てたニッチな一台——「Xperia PRO-I」である。

全体の価値を左右する広角カメラ

まず、名前について指摘しておきたい。ソニーの製品名は、どうしてこうもわかりにくいのか。「Xperia 1 III」は「エクスペリア・ワン・スリー」と読むのが普通だし、「WF-1000XM4」(注:ソニーの完全ワイヤレスイヤフォン)など読みにくさの最たるものだと思う。そして今度は「Xperia PRO-I」だ。多くの人がどう読むかは想像に難くない。

それはともかく、Xperia PRO-Iの売りはコンデジ級の1インチセンサーを搭載するメインカメラだ。1インチ級の大型センサーを載せるスマートフォンとしてはシャープの「AQUOS R6」が記憶に新しい。

カメラ性能を極めた「Xperia PRO-I」は、プロユースの需要にマッチするか?

IMAGE BY SONY

24mm(35mm判換算)の広角レンズを備えるメインカメラには、ソニーの高級コンデジ「RX100 VII」と共通の1インチセンサーが使われているという。ただし、RX100 VIIは有効画素数が2400万画素であるのに対して、Xperia PRO-Iの有効画素数は1220万画素だ。すなわち、Xperia PRO-Iはセンサーをクロップして利用しており、実際のセンサーサイズは1/1.3”相当ということになる。

センサーをクロップすることによって、手ぶれ補正の精度が向上したり、ピント合わせ可能な範囲の拡大など、いくつかのメリットがある。加えて、Xperia PRO-Iでは、動画でのリアルタイム瞳AFが実現した。

可変絞りができるのもスマートフォンではきわめて珍しく、開放F2、絞りF4で2段階の切り替えができる(過去には、サムスンの「Galaxy Note 9」などが野心的に採用していた)。

広角レンズ以外の機構(16mm超広角、50mm標準レンズ、そして3D iToFセンサー)には上記のようなアピールポイントがないものの、ソニーらしい堅実な写りを期待して良いだろう。

ユーザーはどっちを求めているのか?

既に発売されている「Xperia PRO」と同じように、Xperia PRO-Iがプロユースにターゲットを絞った特殊な端末であることは間違いない。

ただし、カメラという側面を強調するなら、4G・5Gで強力なネットワークの中に位置すること、そしてAndroid OSを搭載している点が重要になるだろう。たとえば、現状の機材からステップアップを検討しているアマチュアのカメラマンやYouTuberにとっては、この辺りが強い訴求になるかもしれない。

カメラ性能を極めた「Xperia PRO-I」は、プロユースの需要にマッチするか?

IMAGE BY SONY

では、これまでソニーの「α7」や「RX100」シリーズを使ってきた人がXperia PRO-Iに手をのばす根拠はあるだろうか。これは慎重に検討せねばならない。もっと強気にいくなら、ツァイス(ZEISS)のコンデジスマホ「ZX1」のように、カメラにAndroid OSをぶち込む程のアプローチが良かったかもしれない。ソニーにはそれくらいやってほしかった。

そのほか明かされたのは、 Xperia専用のビジュアルヘッドセット「Xperia View」や、「Xperia 1 III」のSIMフリー版など。ソニーのスマートフォンをあえて選ぶなら、写真や動画撮影そのものを体験として楽しみたい。そこに伴う苦労をいとわないのなら、Xperia PRO-Iは良い選択かもしれない。