2月4日、ソニーが「Xperia 1」の後継に当たる次世代フラッグシップスマートフォン「Xperia 1 II」(マークツー)を発表しました。
Xperiaで初めて5Gに対応したほか、6.5インチの4K HDRディスプレイ、リフレッシュレート90Hz相当の残像低減、メモリ8GB、4,000mAhの大容量バッテリー、ワイヤレス充電対応、そしてイヤホンジャックの「復活」と、あらゆる面で進化を遂げた文句なしのハイエンドスマホです。
ところが僕が最も注目するのは、かつてソニーの平井社長が掲げた「One Sony」、そんな意気込みの現れたる「Xperia 1」の系譜がいかに熟してきているのかという点でした。結論から言えば、「Xperia 1 II」はOne Sonyのコンセプトを確かに受け継ぎ、その完成形に(現時点では)一番近い機種に仕上がったと考えます。
なお発表では、Xperia 1の廉価版「Xperia 10」の後継機種「Xperia 10 II」がお披露目となったほか、プロ向けの最上位機種になると思われる新型フラッグシップ「Xperia PRO」の存在も予告されました。
より薄く、よりクールに

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- ナローベゼル(2面狭額縁)、21:9の縦長ディスプレイ
- 厚さ7.9mm(前モデルより0.3mm薄くなった)
- 重さ181g(前モデルから微増)
- 背面左上のクアッドカメラ
- 側面に指紋認証
- ブラック・ホワイト・パープルの3色展開(グローバル版)
Sub-6の5Gに対応、スペックも大幅に向上しているのに、前モデルより0.3mmの薄型化を実現しているのがポイントです。指紋センサーは電源キーに統合され、ボタン配置もシンプルになりました。
ディスプレイ×BRAVIA、ゲーム×PlayStation

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- 6.5インチ有機EL液晶
- 4K HDRディスプレイ
- アスペクト比 21:9
- リフレッシュレート90Hz相当(新たに採用した残像低減技術による)
- マルチウインドウ
→新機能「マルチウインドウスイッチ」の実装 - ゲームアプリの画面比率を21:9に最適化:対応アプリの増加
→新たに「Call of Duty: Mobile」が対応 - ゲームエンハンサー(前モデルに引き続き実装)
BRAVIAはソニーのテレビブランド。Xperia 1に引き続き、本機種でもBRAVIAの技術が活かされています。リフレッシュレートは競合他社に遅れての改善となりました。
新生Xperiaシリーズは21:9というシネスコサイズの縦長(横長)ディスプレイを採用するため、Androidのラインナップでも縦2分割のマルチウインドウには最も向いている機種と言って良いでしょう。今回は新たに「マルチウインドウスイッチ」という機能が実装され、マルチタスク中でも上下それぞれのアプリを横にスライドして簡単に切り替えることが可能になりました。

マルチウインドウスイッチ
カメラ×α(アルファ)

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Xperia 1 IIではソニーのデジタルカメラ「α」の技術が惜しみなく導入されています。αシリーズと同じZEISSレンズを採用(ただし標準だけ)、Huaweiをはじめ好評の1/1.7大型センサーがようやく本家で搭載され、かつ世界初のAF/AE追従・秒間20コマの高速連写を実現するなど、Xperia史上最も目覚ましい進化を遂げました。
カメラ構成は超広角・(広角よりの)標準・望遠の3つに、3DiToF(深度)センサーを追加したものとなっています。
新機能の「Photography Pro」ではαシリーズのUI・UXを踏襲。「Xperia 1 II」でも高度なマニュアル撮影が可能になっています。およそカメラ部門とスマホ部門が対立していた低迷期からは想像もつかない「復活」ぶりに驚かされました。
ZEISS T* レンズ(標準のみ)
- 被写体の微細な質感を忠実に再現
- Xperiaで初めて1/1.7大型センサーを採用
- カメラ表面のT*(ティースター)コーティング
→フレア・ゴーストを抑えてクリアな描写を実現
進化したカメラ機能
- 標準レンズ:リアルタイム瞳AF
→人だけでなく動物の瞳も自動検出してAF - 標準レンズ:最大で秒間20コマの高速連写(AF/AE両対応)
→前モデル比2倍 - 標準・超広角:デュアルフォトダイオード搭載
→最速0.03秒の高速AFが可能 - 画像圧縮前のノイズ低減処理(やっと採用された…)
- ハイブリッド手振れ補正
→光学式・電子式の手振れ補正を組み合わせ、厳しい撮影環境でもブレを強力に補正 - 新機能「Photography Photo」
→マニュアル露出やシャッター優先AEなどの撮影モード、シャッタースピード、ISO、WBなど自由に変更可能。αシリーズに近い操作性・UI。 - 新機能「Cinematography Pro」(「Cinema Pro」の強化版)
→ハイフレームレートの撮影に対応
→水準器・タッチAF・WBのカスタム設定
→適正露出の表示と設定、外部環境音(余計な音)の選択的排除
サウンド×Sony Music

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- 筐体上側面にイヤホンジャックが復活
- ステレオフロントスピーカー
→ソニー・ミュージックエンターテインメントと協業
→ボーカルや楽器の音の定位、空気感を忠実に再現 - Dolby Atmos
→ソニー独自のチューニング - DSEE Ultimate
→あらゆる音源をハイレゾ相当に変換
→AIによる補正によって高音域や繊細な音の再現性が向上
→ストリーミング・ワイヤレスヘッドセットにも対応 - 360 Reality Audio(対応コンテンツのみ)
→その場にいるかのように臨場感のあるリアルな音が聞こえる技術
→およそ30%の消費電力低減効果もある
スペックと5Gサポート

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- SoC:Snapdragon 865 5G
→前モデルから処理性能・描画性能が約25%アップ - メモリは8GBに
- バッテリーは4,000mAhに増加
- 急速充電(最短30分で約50%)
- 2年使用しても劣化しにくいバッテリー
- ワイヤレス充電(Qi)対応
5G関係
- Xperiaシリーズで初めて5Gに対応
- 「Sub6」をサポートするが、高速な「ミリ波」には非対応
→ミリ波対応の「Xperia PRO」を開発中