九条ハル
前回のZenfone 8に続いて 「Zenfone 8 Flip」 の実機をお貸しいただいたのだ!
ガジェット好きにはたまらない一台!
メロ
Zenfone 8 Flip の特徴
「Zenfone 8 Flip」 は、 ZenFone 6に始まるフリップカメラの系譜を引き継ぐ最新機種です。
3眼構成の巨大なカメラバンプがアイコニックな外観に、 ギークなら誰もが惹かれるはず。 前モデルの ZenFone 7とシステムこそ同じですが、 モーターの角度をより細かく調整できるようになったほか、 課題の耐久性も向上しています。
オートパノラマやモーショントラッキング(被写体追従)など、 「動く」 カメラのギミックを活かしたユニークな機能にも注目です。
ASUS Zenfone 8 Flip | ||
---|---|---|
メーカー | ASUS | |
発売日 | 2021年8月20日 | |
ハード | 質量 | 230g |
サイズ | 77.2×165×9.6mm | |
カラー | ギャラクティックブラック、 グレイシアシルバー | |
ディスプレイ | 6.67インチ AMOLED 90Hz | |
解像度 | 2400×1080 | |
バッテリー | 5,000mAh(PD、 QC 4.0) | |
インターフェース | USB TypeC、 3.5mmオーディオジャック | |
ソフト | OS | Android 11(Zen UI) |
SoC | Qualcomm Snapdragon 888 5G | |
RAM | 8GB | |
ストレージ | 128GB、 256GB | |
カメラ | リアカメラ | 64MP広角、 12MP超広角、 8MP望遠 |
フロントカメラ | リアカメラと共用 | |
機能 | ネットワーク | 5G、 4G VoLTE |
SIM | nano-SIM | |
センサー | 顔認証、 画面内指紋認証 | |
その他 | Bluetooth 5.2、 ワイヤレス充電(Qi)非対応 |
Zenfone 8 Flip の価格
128GB・メモリ8GB:86,800円(税込)
256GB・メモリ8GB:98,800円(税込)
無印のZenfone 8から6,000〜7,000円高くなりますが、 10万円を切る価格でSnapdragon 888 5G・バッテリー5,000mAhが手に入る魅力は相変わらず。
Zenfone 8 Flipは 「ZenFone 7」 をベースとしたブラッシュアップモデルの位置付けになるため、 7ユーザーの買い替えとしては根拠が薄めかもしれません。
九条ハル
10万円を切る価格! ここ重要! ! !
10万円を超えるか否かで感覚的にも違うよねー。
メロ
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デザイン: 「ガジェット感」 を存分に味わえる
Zenfone 8より一回り大きい筐体は約230gで、 手に持つとずっしりくる重みがあります。
Zenfoneの代名詞となったフリップカメラは今作でも存在感抜群。 一つはミニマリズムに舵を切ったZenfone 8との差別化、 そしてブランドイメージの継承という大きな役割を担っています。
その効果は切り欠きやパンチホールのないベゼルレスディスプレイとして還元されます。 フリップカメラが本来ディスプレイに配置すべきフロントカメラの役割を果たしてくれるためです。
ディスプレイは6.67インチAMOLEDで、 FHD+画質、 HDR10+に対応します。 リフレッシュレートは最大90Hz、 タッチサンプリングレートは200Hzまでサポート。
一方でZenfone 8で採用されたFelica(おサイフケータイ)や防水防塵はフリップ機構の代償として見送られました。 この辺りはギミックを特徴とする端末に共通する課題で、 発展の余地を感じさせます。
九条ハル
フリップカメラの構造的に防水対応は難しかったみたい…
SoC・バッテリー:5,000mAhの強烈バッテリーは健在
SoCを含む基本的なスペック構成は無印のZenfone 8と共通。 Snapdragon 888 5Gを搭載し、 多くの人がスマートフォンに期待する動作は滞りなくこなしてくれます。
シングルコア:1125 マルチコア:3649
3D Mark(GPU)
Wild Life Extreme:1527
Wild Life Extreme Stress Test:1287〜1532
メモリ16GBモデルのベンチマークは、 CPU性能を測るGeekBenchでシングルコア1125点・マルチコア3649点を記録。
3D MarkによるGPU性能については、 描画性能を反映するWild Life Extremeで1527点、 長時間のゲームプレイにおける耐負荷能を反映するWild Life Extreme Stress Testでも1287〜1532点を記録。
筐体が大きいぶん排熱性能も高いので、 同じプロセッサを積むZenfone 8よりも若干スコアが高くなっていますね。
5,000mAhの超大型バッテリーは最新モデルでも健在で、 30Wまでの急速充電にも対応。 電池残量の心配をせず一日中使えるというのは、 想像以上に心地良いものです。
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カメラ:フリップカメラがもたらす利点
フロント・リア共用のフリップカメラは、 ソニー製IMX686センサー採用の64MP広角、 12MP超広角、 3倍光学ズーム対応の望遠カメラで構成されています。
ギミックの楽しさは勿論のこと、 性能の高いアウトカメラで自撮りが撮れるメリットも。 各メーカーが目立たないよう苦心しているフロントカメラ問題だって、 フリップカメラの前には敵いません。
駆動部分は、 前モデルのZenFone 7と比較して50%耐久性が向上し、 0.5度単位でより細かく角度調整ができるようになりました。
純正カメラアプリでは手元でフリップの角度を自在に調整することができ、 被写体に合わせてカメラを追従させるモーショントラッキングや、 端末を動かさずにパノラマ撮影ができるオートパノラマなどのユニークな機能が揃います。
カメラ1 | 64MP 広角, f/1.8 (Sony IMX686) |
カメラ2 | 12MP 超広角, f/2.2 |
カメラ3 | 8MP 望遠, f/2.4、 3倍光学ズーム |
撮影全体はカメラ構成も含めて堅実で、 撮りたい写真を思うように撮れる気持ち良さがあります。 暗所では露光補正が強めにかかる傾向があるようで、 光源周りが白トビすることもありましたが、 全体的に落ち着いた色味で個人的には好みだったり。
Zenfone 8 Flipは8Kでの動画撮影に対応していますが、 ファイルサイズが莫大になること、 そのクオリティーを活かせる使い道・アプリが少ないことから、 出番は多くないでしょう。 4K60fpsは現実的な選択で、 撮れた映像のきめ細かさには目を見張るものがあります。
8K動画が当たり前の未来…夢が広がるわね。
メロ
メリットばかりではない
Zenfone 8 Flipを使ってみた印象としては、 旗艦機として求められる要素を丁寧に抑えている端末だと感じます。 とはいえ、 やはり全てが完璧というわけでもない。
個人的に見逃せないのは失われたままのイヤホンジャックでしょうか。 ボクの音楽環境はすっかり無線に移行してしまいましたが、 そうではなくイヤホンジャックの存在そのものがZenfone 8 Flipのような大型の端末にのみ残された特権だと思うのです。
少なくともフリップカメラのような仕掛けに惹かれるのであれば、 その特権を魅力に感じる人もいるはず。
AMOLED(有機EL)ディスプレイは発色が鮮やかで気に入りますが、 陽光の強い屋外では輝度が足りないのか画面が見えづらいこともしばしば。 防水・Felica非対応など、 複雑な機構ゆえの犠牲には目をつむらねばなりません。
なにより今後の最重要課題は、 ブランドとしての 「Zenfone」 の知名度を高めていくことじゃないでしょうか。 Zenfone 8も8 flipも、 他社のハイエンドスマートフォンを凌駕する特徴を持っています。 それでも、 Androidスマートフォンという広い土俵で戦う以上、 「Zenfoneだから買う」 と思わせるような付加価値を見出さねばなりません。
その答えの核心はブランディングにあると感じます。 Zenfone 8のFelica対応が示すように、 今後ASUSは地域ごとのローカライズを含めた本格的なグローバル展開を行っていくでしょう。 入手性の改善は知名度の向上につながるだけでなく、 結果的にブランドの価値を高めてくれるはずです。
ASUSは 「ZenBook Duo」 や 「ROG Phone 5」 のようなイカした端末で常識を覆すメーカーです。 「Zenfone 8」 は均整で質の高い端末でしたが、 かすかな機械音を立てて動くZenfone 8 FlipのフリップカメラにこそASUSらしさを感じてしまうのは、 ボクだけでしょうか。
九条ハル
余談だけど、 背景の机新しくしたんだよねー。
マジで余談じゃん…。 机の紹介はしないつもり?
メロ
九条ハル
天板とか配線とかいろいろこだわりあるんだけどねー…。 ありすぎてまとめられる気がしないのだ。
こうしてお蔵入りが生まれるのね。
メロ