オープンソース人工知能(AI)を開発するOpenAIは11月7日、 初となる開発者会議 「DevDay」 を実施。 生成AIの最新モデル 「GPT-4 Turbo」 を発表しました。
今回発表された新機能はすべて、 有料版の 「ChatGPT Plus」 および 「Enterprise」 ユーザーに向けたものになっており、 今後数週間のうちに利用可能になるとしています。
本記事では、 OpenAIが発表したアップデート内容をまとめました。 基調講演の様子はYouTubeで配信されていますので、 こちらも併せてご確認ください。
GPT-4 Turbo : GPT-4の改良版
発表の目玉となったのが、 生成AIの新モデル 「GPT-4 Turbo」 です。 GPT-4の改良版という位置付けで、 従来は2021年9月までの知識に限定されていたのが、 新モデルでは2023年4月までの情報に基づいて回答するように。
また、 一度に処理できるテキスト量(コンテキストウィンドウ)は128,000トークンに拡大され、 実に300ページ分のテキストが1つのプロンプトに入れられます。
旧モデル/トークン数 | 新モデル/トークン数 | |
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GPT-4 |
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GPT-3.5 |
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GPT-3.5 fine-tuning |
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また、 パフォーマンスを最適化したことにより、 トークン利用価格も安価になりました。 GPT-4 TurboはGPT-4と比較して入力トークンで3分の1、 出力トークンでは2分の1ほど安く利用できます。
![| quest 「Function Calling」 がより使いやすく。 IMAGE BY OPENAI](https://kissanadu.com/wp-content/uploads/2023/11/OpenAI-DevDay-Opening-Keynote-6-57-screenshot.png)
「Function Calling」 がより使いやすく。 IMAGE BY OPENAI
ユーザーが作成したfunction(関数)を適宜呼び出す機能 「Function Calling」 も強化され、 1つのプロンプトで複数の関数を実行できるように。
あらたにJSONモードが実装され、 JSON形式で詳細な指示が出せるようになるほか、 SEED値を導入し解答の再現性を向上させる試験機能を実装中とのこと。
GPT-4 Turboは、 APIから 「gpt-4-1106-preview」 と呼び出すことですべての有料開発者が利用可能。 安定版は今後数週間以内にリリース予定です。
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GPT-4 Turbo with Vision
GPT-4 Turboとは別に、 画像入力に特化した 「GPT-4 Turbo with Vision」 も発表されました。 画像を渡すと、 そこからキャプションの生成や画像の詳細分析、 文章の解読などが可能。
画像サイズに応じて利用価格が異なり、 画像生成AIの 「DALL・E 3」 も併せて利用可能です。
ブラウジング・画像生成・データ解析機能が1つに統合
![| quest 本機能はすでに実装済み。 IMAGE BY QUEST](https://kissanadu.com/wp-content/uploads/2023/11/gpt-4-generated.png)
本機能はすでに実装済み。 IMAGE BY QUEST
発表直後にリリースされた最新版から、 「browsing with Bing」 (ブラウジング機能)・ 「DALL・E 3」 (画像生成機能)・ 「Advanced Data Analysis」 (データ解析機能)が1つのインターフェースに統合され、 1度の会話ですべて併用できるようになりました。
Advanced Data AnalysisはアップロードされたPDF・画像の内容を分析し、 それに基づいて回答する機能。 インターネット検索に基づく最新の情報と組み合わせて、 ChatGPTの活用範囲を大きく広げてくれそうです。
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GPTs : 各用途に特化したカスタムChatGPT
GPTsは、 特定の用途に特化したChatGPTをノーコードで構築できる仕組み。 7月に導入された 「Custom instructions」 (回答傾向を文章で指定できる機能)を発展させた仕様になっています。
GPTs are a new way for anyone to create a tailored version of ChatGPT to be more helpful in their daily life, at specific tasks, at work, or at home — and then share that creation with others. No code required. https://t.co/SPV4TcMiQw pic.twitter.com/PcmorZwtMF
— OpenAI (@OpenAI) November 6, 2023
ユーザーは用途に応じた指示や情報をChtatGPTに組み込むことで、 独自のチャットボットを作成することができます。 作成したGPTsは共有も可能ですが、 チャットデータは作成者と共有されない仕様になっています。
現時点でOpenAIが作成したGPTsが有料版ユーザーを対象に公開されており、 GPTs作成機能は今後数週間のうちにリリース予定としています。 また、 2023年11月後半にはGPTsを公開し、 収益を得ることができる 「GPTストア」 も展開予定としました。
基調講演の様子は下の動画からご確認ください。
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