OnePlus Nordの特徴・スペック
フラッグシップ級の性能を備えながら、 低く抑えられた価格が魅力のOnePlus(ワンプラス)。 ですが昨年7月に発表された 「OnePlus Nord」 は、 同ブランド初のミッドレンジスマホとして他機種とは明確に区別されていました。
しかし流石はOnePlus。 4万円台という価格帯にも関わらず、 デザイン・基本性能は十分すぎる仕上がりで、 同帯のスマホでは確実に群を抜いています。
ただし売りの一つでもあるカメラは、 標準の広角レンズを除いて実用的とは言い難いレベル。 写真に対する需要の有無で評価が大きく変わる一台です。
OnePlus Nord 5G | ||
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メーカー | OnePlus | |
発売日 | 2020年7月(日本未発売) | |
ハード | 質量 | 184g |
サイズ | 158.8×73.3×8.2mm | |
カラー | ブルーマーブル, グレーオニキス | |
ディスプレイ | 6.44インチ AMOLED 90Hz, 画面比20:9 |
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解像度 | 1080×2400px(フルHD), 402ppi | |
バッテリー | 4,115mAh(専用規格による30W急速充電) | |
インターフェース | USB TypeC 2.0 | |
ソフト | OS | Android 10(OxygenOS) |
SoC | Qualcomm Snapdragon 765G | |
GPU | Adreno 620 | |
RAM | 6GB/8GB/12GB | |
ストレージ | 64GB/128GB/256GB | |
カメラ | リアカメラ | 4眼:48MP広角、 8MP超広角、 2MPマクロ、 5MPポートレート (後述) |
フロントカメラ | 32MP + 8MP (後述) |
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機能 | ネットワーク | 5G/4G/3G NFC |
SIM | NanoSIM, デュアルSIM | |
センサー | 画面内指紋認証センサー他 | |
その他 | Bluetooth 5.0、 イヤホンジャックなし、 防水なし |
OnePlus Nordの価格
OnePlusでは初のミッドレンジスマホです。 発売当初は最廉価モデルでしたが、 現在はさらに価格を抑えた 「OnePlus Nord N10 5G」 「OnePlus Nord N100」 が登場しています。
90Hz駆動フルHD+のディスプレイに4,115mAhの大容量バッテリーと、 価格以上のスペックが特徴。 OnePlus独自のOxygen OS(Android 10ベース)も健在で、 OS自体のファンも少なくありません。
九条ハル
カメラ&スピーカーは価格相応、 それ以外は価格以上!
日本で発売してくれたらって思うよね。
メロ
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OnePlus Nord 5G
デザイン: 美しい筐体と優れたディスプレイ
OnePlusのプロダクトデザインは美しく、 それでいてユニークなのが特徴的ですが、 この子もそれを引き継いでいます。 「NORD」 の文字が刻まれた箱を開けると、 ライトブルーの筐体がお出迎え。
プラスチック製のボディーですが、 緩やかにカーブしたフラットデザインと光沢感のある側面が、 ミドルレンジとは到底思えない品位を醸し出します。
サイドには電源ボタンとマナーモード切り替えボタン、 音量調節ボタン、 SIMスロットにUSB Type-Cポート。 イヤホンジャックは非搭載。 スピーカーは本体下部に一つしかなく、 決して優れた音質とは言えません。
ところがそんな不満も、 眼前に広がる精細な有機ELディスプレイに比べれば些細なもの。 画面は6.44インチで、 左上にパンチホール式のデュアルカメラを配します。 画面内指紋認証は、 精度良好で解除スピードも非常に早い。 ただしフィードバックが弱々しいので 「解除した」 という感覚は得られません(オプションとして、 顔認証の併用も可能です)。
特筆すべき点として、 最大90Hzのリフレッシュレートに対応しています。 普段iPhoneを使っていて気になることはないですが、 一度その滑らかさを体験してしまうとその差が感じられるものです。
個人的には90Hzのスムーズな駆動が好みですが、 バッテリー消費が激しいというデメリットもあります。 Nordは設定からリフレッシュレートを変更(90Hz/60Hz)することが可能です。
デフォルトで保護フィルムとケースが付されているのは、 中華スマホならではと言ったところ。 全体的にみてビルドクオリティーが高く、 価格以上の質感と堅牢性を備えたスマートフォンです。
九条ハル
ティファニーブルーが好きなボク的には、 この子がどストライクなのだ…っ!
OnePlus Nord 5G
SoC・バッテリー: 価格以上の実力
“外見は内面を映す鏡”と言いますが、 それはガジェットにも当てはまると思います。 「OnePlus Nord」 の洗練された筐体は、 それに見合うスペックを保証するものです。
Snapdrgaon 765Gは、 グーグルの 「Pixel 5」 が積んでいるものと同じですね。 ミドルクラスのSoCですが、 実用的なパフォーマンスを発揮します。
1回目: 316,224
2回目: 317,088
3回目: 315,715
「アスファルト9:Legends」 のような3Dゲームをプレイすれば、 性能の限界に気づくかもしれません。 とはいえ、 その差は限りなく小さいものです。 大抵のシーンにおいて、 フラッグシップ機との違いを感じることはなかったかな。
付属の充電器とケーブルは独自規格の 「Warp Charge 30T」 に対応。 最大30W出力により、 1時間弱で0からのフル充電が可能です(30分で70%!)。 ただしワイヤレス充電は非対応。
バッテリーは4,115mAhと比較的大型。 一般的な用途なら1日以上は充電なしで使えます。 確実に言えるのは、 これらのスペックが同価格帯のスマホでは確実に優れている部類だということです。 それどころか、 旗艦クラスと比べても使用面で遜色のない仕上がりになっていると感じます。
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OnePlus Nord 5G
カメラ:4眼を活かした使い方は難しい
ミドルクラスの価格にハイエンドの性能を——そんな標題を掲げてきたOnePlusにとって、 「フラッグシップ級のカメラ」 は重要なアイデンティティーの一つ。 故にOnePlus Nordのカメラ性能には最も注目していました。
結論から言えば、 標準カメラは価格相当(かそれ以上)には良い。 ソニー製IMX586は48MPの画素数を誇り、 光量さえあれば被写体のディテールまで精細に描写する実力の持ち主です。
OnePlus Nordのカメラ性能 | |
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リアカメラ1 |
48MP, f/1.75 (Sony IMX586) 0.8μm, OIS(光学式手ぶれ補正), EIS 4K30fps |
リアカメラ2 | 8MP 超広角, f/2.25 |
リアカメラ3 | 2MP マクロ, f/2.4 |
リアカメラ4 | 5MP ポートレート, f/2.4 |
フロントカメラ1 | 32MP, f/2.45 (Sony IMX616) 0.8μm, EIS |
フロントカメラ2 | 8MP, f/2.45 |
素の作風は彩度・コントラストが低めで、 目で見ているものをありのままに写し出す描写が特徴。 特に、 光と影をやわらかに描写してくれるのが好みだったり。 光学式手ぶれ補正(OIS)はとりわけビデオ撮影でその効果を発揮します(電子式ならではの”不気味な”トリミングもありません)。
一方で、 広角・ポートレートレンズの仕上がりは決して優れていると言えません。 撮れないことはないですが、 暗所性能の低さ、 そもそもの画質の粗さがあるので、 実用に耐えるかと言われれば…うーん。
マクロレンズに至っては…正直使いものにならない。 ボケ感を逆手にとって、 トイレンズ的な使い方をするならアリかも?ですが現実的にみて、 標準レンズ以外の3つはおまけと考えるのが妥当です。
動画に関しては、 4K 30fpsに加えて、 4Kシネマ画質による21:9のビデオ撮影が楽しい。 PixelやiPhoneの画質には叶わないものの、 質の良い動画が撮れるのは評価すべき点です。
九条ハル
でもやっぱりカメラは惜しい! 1眼でも良いからハイスペなカメラが欲しかったぞ…
OnePlus Nord 5G
OxygenOS: OnePlusを選ぶ大きな理由
OnePlus独自の 「OxygenOS」 は、 AndroidベースのカスタムOSでもかなり使いやすい、 ひょっとしたら純正以上の魅力を持ったシステムです。 UX自体は純正のAndroidに近いですが、 インターフェースや機能面で勝る面も多々。
ボクが個人的に推している機能の一つが、 ジェスチャーのカスタマイズ。 素のAndroidに比べて設定できるジェスチャーと実行できるショートカットの種類が段違いです。
ダブルタップでスリープを解除したり、 3本指スワイプで画面をスクショしたり…アルファベットを描いて特定のアプリを起動することもできます。 設定アプリから簡単にセットアップできるのも良いところ。
ほかにも、 ゲームを起動すると 「通知は停止&スピーカーで通話」 設定に切り替えてくれたり、 寝る前に電源を切ってもアラームに合わせて起動してくれたりと、 細やかながら便利な機能がOxygenOSの魅力です。
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OnePlus Nord 5G
価格: 4万円以上の価値を実感できる
「高性能・低価格」 を売りにしてきたOnePlusが、 ミッドレンジに初めて手を出した理由は何か。 そう考えるとき、 やはり初めて 「Pro」 の名を冠し、 界隈の注目を集めた 「OnePlus 8 Pro」 の存在が脳裏に浮かびます。
いわゆる旗艦スマホの高性能化・高価格化に拍車がかかる中で、 プライスゾーンを武器にしてきたOnePlusも、 コスト上昇を余儀なくされました。 昨年発売されたOnePlus 8 Proは同ラインナップで初めて10万円の大台を超え、 一部では 「6T」 までに培われたOnePlusのマインドは死んだ、 とさえ言われました。
そこで、 従来のスタンスを引き継ぐ形として登場したブランドこそ、 「Nord」 シリーズではないかと考えます。 GalaxyやHuaweiのように、 価格帯別の大規模な製品ラインナップ。 単機種で攻めてきたOnePlusも、 スタートアップとしての成長期を乗り越えた今、 そうした方向に舵を切ったのかもしれません。
いずれにせよ、 OnePlus 8 Proをみる限り、 OnePlus Nordもまた中級機として割り切った存在であることは間違いなく、 一方で4万円とは思えぬ優れたデザインと性能がユーザーに不満を抱かせません。
注意点は、 技適がないため日本国内での使用には制限があること。 個人的にはOnePlusのファンなので、 日本でも発売されたら良いのにと思うところです。
九条ハル
うわさの 「OnePlus Nord SE」 も、 実は結構気になってたり……
え、 本当に買うの…?
メロ
九条ハル
あっ (遺言)
SOURCE