今月12日にサムスンが米サンフランシスコにて開催した 「Galaxy UNPACKED」 イベント。 今年は噂されていた縦折り型のフォルダブルスマホ 「Galaxy X Flip」 に、 フラッグシップにあたるSシリーズの最新機種3つ、 さらに 「Galaxy Buds+」 も披露されるなど、 充実したラインナップでした。
ここでは発表されたプロダクトについて簡単にまとめていきます。
– Announced gadgets –
- Galaxy Z Flip:縦折りフォルダブルスマホ
- Galaxy S20:新生Sシリーズの最廉価モデル。 6.2インチ
- Galaxy S20+:S20よりちょい大型で、 ToFセンサーをプラス。 6.7インチ
- Galaxy S20 Ultra:カメラ機能に特化した最上位モデル。 6.9インチ
- Galaxy Buds+:TWSイヤホン 「Galaxy Buds」 の後継機種。
きさみん
メロ
Galaxy Z Flip – au専売で2/28発売
Image:Samsung
昨年発売の 「Galaxy Fold」 に引き続き、 2機種目のフォルダブル(Foldable)スマホです。 ただし大きく異なるのは、 「Fold」 が横折り、 すなわち 「畳むとスマホ、 開くとタブレット」 を売りにしていたのに対し、 「Z Flip」 は縦折りである点です。 縦折りスマホのエッセンスは 「スマホとタブレットの2in1」 ではなく、 あくまで普通のスマホだけど折りたためばコンパクトになるところです。
言い換えれば、 「Fold」 と 「Z Flip」 は同じフォルダブルでもコンセプトが全く異なるということになります。 もう一つの大きな違いは価格で、 前者は国内で24万前後だったのに対し、 Z Flipはau専売で17万9360円(税込)となっています。 それでも普通のスマホよりはうんと高いですが、 フォルダブルスマホが貴族の娯楽からコンシューマー向けへと徐々に移行していることをアピールするには十分な価格設定ではないかと思ったりします。
背面カバーにも1.1インチの超小型ディスプレイを搭載。 使い道は…? Image:Samsung
「Galaxy Z Flip」 の構造的特徴で特筆すべきは2つ。 一つはフォルダブルスマホで初めてディスプレイガラスを採用したこと(フォルダブルは強度の問題から樹脂素材が採用されることが多い)。 これによりフラッグシップに相応しい鮮やかな発色と視認性を実現しています。 次に背面の1.1インチ小型ディスプレイ。 ここにメールの通知や時刻が表示されるほか、 ここから通話にでたり、 セルフィーを撮ったりすることも可能となっています。
– Specs –
製品名 | Galaxy Z Flip |
OS | Android 10 |
SoC | 7nm 64-bit Octa-Core Processor |
RAM | 8GB |
ROM | 256GB |
ディスプレイ | 6.7インチ(21.9:9) Cover:1.1インチ |
解像度 | Main:2,636×1,080 Cover:300×112 |
カメラ | フロント:10MP(f/2.4) リア(超広角):12MP(f/2.2) リア(広角):12MP(f/1.8) |
無線LAN | IEEE 802.11a/b/g/n/ac |
Bluetooth | Bluetooth 5.0 |
バッテリー | 3,300mAh |
インターフェース | USB Type-C nanoSIM |
サイズ | 折り畳み時:73.6×87.4×15.4-17.3mm 広げた状態:73.6×167.3×6.9-7.2mm |
質量 | 183g |
その他 | Quick Charge 2.0 & AFC Wireless PowerShare NFC eSIM & nanoSIM |
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Galaxy S20/S20+/S20 Ultra – カメラ、 バッテリー、 そして5G
Samsungのスマホラインナップではフラッグシップ(ハイエンド)帯にあたる 「Sシリーズ」 の最新機種です。 昨年のS10と比べて、 特にバッテリーとカメラ周りが大きく進化しています。
左から、 S20、 S20+、 S20 Ultra。
S10シリーズに引き続き3モデル構成で、 最廉価の 「Galaxy S20」 は6.2インチディスプレイ、 「S20+」 が6.7インチ、 そして最上位の 「S20 Ultra」 は6.9インチとグレードに従ってサイズが大きくなるのも従来と一緒です。 ディスプレイについては全モデル120Hzの高リフレッシュレートをサポートしているのがポイント。
その他、 S20 Ultraは驚異の5,000mAhバッテリーを搭載しているため、 電池切れに悩まされる機会も減るのではないかと思われます。 話題の5Gについてはさすがサムスン、 全モデル対応させてきました(ただしS20のみミリ波には非対応です)。
カメラ性能は 「S20 Ultra」 が抜群だが、 他2種も十分にハイスペックだ。 Image:Samsung
さて肝心のカメラ性能ですが、 「S20」 と 「S20+」 はToFセンサーの有無を除けばほぼ同等と考えて良いでしょう。 廉価モデルのS20でも驚愕の8K30fps動画撮影に対応し、 0.5倍の超広角から最大30倍のデジタルズームまで広範囲の静止画撮影も可能となっていまが、 「S20 Ultra」 になると性能は段違いです。
S20 Ultraは 「1億800万画素」 の広角カメラを搭載し、 10倍のハイブリット光学ズームに対応、 デジタルズームは最大100倍に至ります(実用性には目をつむりましょう)。 こちらも8K30fpsの動画撮影が可能とのこと。
その分カメラバンプは背面のおよそ1/5を占めるほど巨大になっていますが、 これをデザインと捉えるかダサいと思うかは我々の感性次第といったところでしょうか。
S20シリーズの発売日は3月6日(グローバル版)。 価格はGalaxy S20(5G)が999ドル(約11万円)、 S20+(5G)が1199ドル(約13万円)。 S20 Ultra(5G)が1399ドル(約15万円)となっています。
– Specs –
製品名 | Galaxy S20 | Galaxy S20+ | Galaxy S20 Ultra |
OS | Android 10 | ||
CPU | Qualcomm Snapdragon 865 Exynos 990 |
||
RAM | 5G:12GB LTE:8GB |
5G:12GB LTE:8GB |
5G・LTE:12/16GB |
ROM | 5G:128GB LTE:128GB |
5G:128/256/512GB LTE:128GB |
5G・LTE:128/256/512GB |
ディス プレイ |
6.2インチ | 6.7インチ | 6.9インチ |
解像度 | 3,200×1,440 | 3,200×1,440 | 3,200×1,440 |
カメラ | フロント:10MP(f/2.2) リア(超広角):12MP(f/2.2) リア(広角):12MP(f/1.8) リア(望遠):64MP(f/2.0) |
フロント:10MP(f/2.2) リア(超広角):12MP(f/2.2) リア(広角):12MP(f/1.8) リア(望遠):64MP(f/2.0) リア(TOF) |
フロント:40MP(f/2.2) リア(超広角):12MP(f/2.2) リア(広角):108MP(f/1.8) リア(望遠):48MP(f/3.5) リア(TOF) |
無線LAN | IEEE 802.11a/b/g/n/ac/ax | ||
Blue tooth |
Bluetooth 5.0 | ||
バッテリー | 4,000mAh | 4,500mAh | 5,000mAh |
インターフェース | USB Type-C microSDXC nanoSIM |
||
サイズ | 151.7×69.1×7.9mm | 161.9×73.7×7.8mm | 166.9×76.0×8.8mm |
質量 | 163g | 186g | 220g (5G:222g) |
その他 | Infinity-O Display HDR10+ 認証 120Hzリフレッシュレート Fast Wireless Charging 2.0 Quick Charge 2.0 and AFC Wireless PowerShare 5Gサポート |
Galaxy Buds+ – バッテリーが進化
Samsung製TWSイヤホン 「Galaxy Buds」 の後継機種にあたります。 注目はバッテリーで、 前モデルと比べて駆動時間は80%増加、 イヤホン単体で11時間再生、 充電ケースと合わせて22時間の連続再生が可能になりました。 とはいえ、 ケース含めての総再生時間はTWSイヤホンの中で見るとまだまだ短い方と言えるかもしれません。
また 「Galaxy Buds」 ではダイナミック型のシングルドライバー構成だったのに対し、 「Buds+」 ではデュアルドライバーに。 内蔵マイクも合計3つに増加し、 音声の聞き取り精度が向上しています。
見た目は 「Galaxy Buds」 と殆ど一緒。 Image:Samsung
– Specs –
Bluetooth | Bluetooth 5.0 |
バッテリー | イヤホン本体:85mAh ケース:270mAh |
連続再生時間 | イヤホン単体11時間、 ケース込みで22時間(公称値) |
コーデック | SBC、 AAC、 Scalable (Scalableはサムスン独自規格) |
Bluetooth | 5.0 |
インターフェース | USB Type-C |
サイズ | イヤホン:17.5×22.5×19.2mm ケース:38.8×70×26.5mm |
質量 | イヤホン:6.3g ケース:39.6g |
その他 | Qiワイヤレス充電対応 急速充電対応(3分充電で1時間駆動) 防沫仕様 アンビエントサウンドモード |
サービス面の努力が感じられたプレゼン
話題の縦折りスマホにフラッグシップのSシリーズなど、 高価格帯のスマホがメインだった今回の発表ですが、 同時にサービス面における他社(Microsoft、 Google、 Netflix)との提携姿勢が強調されていたのも印象的でした。
スマートフォンのシェアでトップを走り続けるサムスンですが、 その功績を支えているのはフラッグシップではなくGalaxy Aシリーズのようなミドルレンジスマホです。 ハイエンドの売れ行きが伸び悩む中、 各企業の注目はハードからサービスへと移りつつあるように思います。
きさみん
メロ
きさみん