以前紹介した 「MOFT X」 、 覚えているでしょうか。 MOFTがクラファンで名を馳せ、 ギーク層以外にもブランドとして普及したいまでは、 街中でMOFT製品を見かける機会も増えてきました。
一方で、 1年使ったMOFT Xには少なからず不満もあります。
致命的だったのは、 装着したら最後、 ワイヤレス充電ができなくなる点。 スタンドの厚みが物理的な障壁になってしまうんです。 ならば外せばいいじゃないかと考えるに、 粘着テープで強力に固定されているので、 つけ外しは事実上不可能。 そういうわけで、 MOFTのギミックを活かした機能性と、 その代償、 しかも人によっては無視できない犠牲を天秤にかける必要があった。
—— iPhone 12に合わせてブラッシュアップされた新しい 「MOFT Snap-On」 は、 そんなジレンマを鮮やかに解決してくれるかもしれません。
MOFT Snap-On|iPhone用スタンド
一見すると、 従来の 「MOFT X」 と何が違うんだろう、 と思うはずです。 素材は合成皮革ですが、 滑らかな触り心地と見た目の高級感は相変わらず良好。
カラーは、 ブルー・ブラック・ブラウン・グレーの基本色に加えて、 コラボ柄など様々なデザインが存在。 バリエーションの豊かさは、 MOFTを選ぶ大切な理由の一つです。
そして特筆すべきは、 iPhone 12からの新機能 「MagSafe」 に対応したこと。 両面テープで貼り付けていた前モデルが嘘のように、 マグネットで簡単につけ外しができます。
磁力、 というシンプルな発想が可能にしたことは3つ。 まず裸のiPhoneにも気兼ねなく付けられるようになりました。 貼付式のスタンドは皆ケースの上から付けるのが常識でしたからね。
ワイヤレスで充電したい時、 これからはSnap-Onをひっぺがすだけで良いわけです。
そして向きを変えられるので、 このように横向きのフロートスタイル(60°)が実現します。 スタイリッシュな見た目はもちろんのこと、 目線が上がるぶんディスプレーの視認性が向上。 その差3cmと僅かですが、 侮るなかれ、 効果は抜群です。
動画コンテンツの視聴に向いています。
ただし、 そこまで磁力が強い訳でもありません。 ケースの上から付けると安定性はそれなりに落ちます。 MagSafe対応の 「Frost Air」 なら、 なんとか。 やや厚めのケースになると、 併用は難しそう。
「MOFT X」 同様、 接地状態での縦置き、 横置きも可能。 いずれも60°で、 視認性は良好です。
縦置きはスペースをとらないので、 デスクワークや外出先が主な活躍の場。
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カードは最大3枚まで
本体の端から、 最大3枚のカードを収納することができます。 イメージとしては純正のMagSafe対応レザーウォレットに近いですが、 Snap-Onはカードケースに最適化されたつくりになっておらず、 使用感で及びません。
スペースに余裕はなく、 名刺3枚でもかなりキツいです。 着脱式なので紛失の懸念はありますが、 クレジットカードを1,2枚入れて、 サブ財布的な使い方をするのが良いかも。
磁気によるカードやられの心配はないそうですが、 Snap-On本体の磁力が弱めに設定されているのも、 おそらくこのためかと。 スキミング防止機能は従来通り付いてます。
ホルダー機能はどうか
セット購入で付属する、 マグネットホルダーです。 裏面のテープを剥がして、 好きな所に固定します。
Snap-On本体の磁力、 というよりはホルダー側の磁力を頼りにくっつきます。 素の状態では安定感があるものの、 カードを仕込んだ状態では軽い刺激でしばしば落下。
車の運転台に設置して、 着脱可能な車載ホルダーとして使ってる方もいますね。
九条ハル
「ホルダー」 という意味では、 こういう使い方もできるぞ! バンカーリングと使い心地は一長一短だけど、 ボクは割とお世話になってる方かな?
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劇的に良くなったけど、 まだ足りない
MOFTの熱烈なファンからすれば 「マグネットで着脱可能になったこと」 、 これだけで求める理由には十分なのかもしれません。
でもそうでない大勢が、 「MOFT Snap-On」 をどう捉えるかは別の問題。 ちょっといじわるな見方をしましょうか。
実はこの製品、 たった一つのサイズでiPhone 12の4機種すべてに対応と謳っています。 最も小さいiPhone 12 miniでもギリギリ収まってるので、 おそらくそれは正しいはず。
ただ実際の使い勝手は機種間で異なります。 たとえばiPhone 12 Pro Maxの場合、 MagSafeの位置関係上、 Snap-Onが筐体の中央に寄ってくる。 すると縦置き時の角度が浅くなったり、 横置きの安定性が損なわれたりと、 随所で弊害が生じるのです。
見栄えという意味では、 厚みもそれなりにあります。
「MOFT X」 のときもそうでしたが、 耐久性にはやはり課題が残る印象。 三辺のステッチや内側のファブリックが、 使っていると派手にほつれてきます。 これでは折角の美しいデザインが台無しです。
九条ハル
カードケースに拘るくらいなら、 本体の磁力をもうちょっと強くしてほしかった。 そしたら選べるケースの幅も増えただろうに…。
立派なブランドに成長したからこそ、 求められる基準も高くなるわね。
メロ