Razer Blade Stealth ゲーム 13

Razer Blade Stealth 13 late 2019 – IceLake × GeForce GTX でどこまでできる?

Razerが昨年12月から国内で発売を開始したゲーミングノート「Razer Blade Stealth 13」(late 2019)は、13インチのウルトラブックにも関わらず独立GPUとして「GeForce GTX1650(Max-Q)」を搭載するモデルが登場したことで話題になりました。
さらにlate 2019からはIceLakeと呼称される最新の第10世代Coreプロセッサをシリーズで初めて搭載したことにより、ウルトラブックでも快適にゲームを楽しめるようになったと謳われています。

13インチという限られたサイズのなか、新設計のGPUを搭載するIceLakeにGeForce GTXの組み合わせでどこまでの性能を引き出せるかがこのモデルの重要な論点といえるでしょう。

きさみん

ちなみに海外ではStealthの2020年最新モデルが既に発表されているから、こちらも国内で発売される可能性に期待だよ!
ウルトラワイドなのにゲーミングPCを名乗るなんて、いろいろ規格外でワクワクさせられるモデルだわ!

メロ


MX150からGTX1650へ。グラフィックの進化が止まらない

Razer Blade Stealthは、既にゲーミングノートとして人気を集めていたRazer Bladeシリーズの小型廉価版として2016年に発売されました。当時はグラフィック内蔵のCPUを積んだごく普通のウルトラブックで、せいぜい軽いゲームが遊べる程度といった性能でした。

CPUのアップデートが中心だったStealthシリーズですが、Early 2019モデルではデザインが刷新されBlade譲りのシンプルでモノリスな筐体に。同モデルはシリーズで初めて「GeForce MX150」を独立GPU(dGPU)として搭載し、「ゲーミングノート」としてのアイデンティティが強化された象徴的な機種でもあります。

そして今回はついに、NVIDIAの主力GPU「GeForce GTX1650」を搭載するモデルが初めて登場しました。MXシリーズを初めて搭載した時も驚きでしたが、ついにウルトラブックでもGTXという名前を耳にする時代が来たのかと思うと、どうしても感慨に浸ってしまうものです。

Wi-Fi6に対応したとか、厚みが0.5mm増して重量も若干増えたとか、各モデルお値段が6,000円くらい上がったとか、変更点は他にも色々あります。でも結局のところlate 2019の最大のポイントは、新たに搭載されたGTX1650とIceLakeこと第10世代Coreプロセッサに集約されるはずです。

Blade Stealth 13(late 2019) − スペック

ブラックの筐体にRazerのロゴが際立つGTXモデル。Image:Razer

白い筐体が魅力のMercury White EditionはGTXを搭載しない。Image:Razer
CPU クアッドコア第10世代 Intel Core i7-1065G7
GPU Intel Iris Plus Graphics(iGPU)
NVIDIA GeForce GTX1650(dGPU)
Mercury WhiteはdGPUを搭載しない
メモリ LPDDR4-3733(3733MHz) 16GB
ストレージ Mercury White:256GB
GTXモデル:512GB
ディスプレイ 13.3インチフルHD(1920×1080, マット仕様, タッチ非対応)
オプション:13.3インチ4K(3840×2160, タッチ対応)
インターフェース Thunderbolt 3、USB 3.1 Type-C、USB 3.0×2、720p Webカメラ
Wi-Fi Wi-FI 6(IEEE 802.11ax)
ACアダプタ Marcury White:65W
GTXモデル:100W共通
備考 ステレオスピーカーは左右で計4つ、Dolby Atmos対応。WebカメラはWindows Hello顔認証に対応
サイズ 幅×奥行き×高さ:304.6×210×15.3mm
重量 モデル別1.36/1.42/1.48kg
OS Windows 10 Home (64 ビット)
価格 193,380円(税込, 前モデルから約6,000円ほど値上げ)

GTX1650はiGPU単体に比べ2〜3倍高いスコア

ここではPC WatchASCIIの調査結果を参考に、同モデルの実力を見ていくことにしましょう。

ノートパソコンの多くはプロセッサ内蔵のGPU(iGPU)のみでグラフィック処理を実行していますが、Razer Blade Stealthの場合は内蔵GPU(iGPU)に加えグラフィック処理に特化した独立型のGPU(dGPU)を搭載し、状況に応じて2つを使い分ける方式を採っています。

ただし、いくら性能の高いdGPUを積んでいるといっても高度な処理が必要な時を除いて基本的にはiGPU単体で対処する場合が多いので、内蔵GPUの基本性能も重要になってきます。late 2019モデルでは「Gen11」の新しいGPUを採用し、実行ユニット数の増加したIris Plus Graphics 940を搭載していることから、グラフィック性能の向上が期待されます。

IceLake・Iris Plus Graphics 940:3DMarkスコア

Source:PC Watch
項目 パフォーマンス設定 バランス設定
NightRaid 10,554 10,152
– Graphics 11,848 11,632
– CPU 6,520 5,900
Sky Diver 5,458 4,332
– Graphics 5,247 4,566
– Physics 7,154 4,767
– Combined 5,185 2,851
Fire Strike 2,893 1,266
– Graphics 3,104 1,427
– Physics 11,761 5,572
– Combined 1,096 422
Time Spy 966 433
– Graphics 853 382
– CPU 3,952 1,788

内蔵GPUだけでも比較的軽量なゲームなら「最高」ではなくとも「問題ないレベルで」遊ぶことができる

IceLake・Iris Plus Graphics:ゲーム毎計測

ACアダプタを接続し、パフォーマンスモードに設定して計測。Source:PC Watch
ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク スコア
フルHD 標準品質(ノートPC) 5,093
フルHD 高品質(ノートPC) 3,654
フォートナイト(フルHD) スコア
品質プリセット低(3D Resolutionのみ100%) 71 fps
品質プリセット中(同) 28 fps
Apex Legends(最低設定/FOV90) スコア
1,280×720 51 fps
1,600×900 36 fps
1,600×900(適応解像度) 52 fps

上表では、late 2019で新たに搭載された内蔵GPU(Iris Plus Graphics 940)のベンチマークスコアとゲーム毎のグラフィック性能を比較しています。ファイナルファンタジーXIVでは元解像度のフルHD表示でも標準品質であれば「とても快適」、高品質なら「快適」の表示が出ており、フォートナイトは品質プリセットを低にすればフルHDでも安定して60fps台を出しているようです。

一方で比較的動作負荷が高いと言われているApex Legendsでも、グラフィックス関連の設定を最低にして解像度を1,280×720 pxに設定すると50fps程度まで出ていることがわかります。内蔵GPU単体ながら、フォートナイトをフルHD60fpsで遊べる性能を発揮できているのはやはりIceLakeの恩恵と捉えることができます。

Iris Plus Graphics vs. GTX1650 3DMark比較

Source:ASCII
項目 GTX1650 MX150 Iris Plus Graphics
Fire Strike 6,862 3,406 2,940
TimeSpy 3,029 1,264 987
Iris Plus GraphicsとGTX1650については同じCPU構成(IceLake Core i7-1065G7)で比較。MX150 は第9世代Core i7-8565Uでの計測

続いて、dGPU(GeForce GTX1650)の性能を見ていきましょう。「3DMark」のベンチマークスコア(上表)では内蔵GPU(Iris Plus Graphics)に比べ2〜3倍程度、前モデルのdGPU(MX150)と比べても2〜2.4倍程度高い数値(おおむね処理速度に比例)を叩き出していることがわかります。

前モデル(Early 2019)からたった1年弱でグラフィック性能が2倍近く向上したというのは衝撃的。ただし、消費電力の激しいGTX1650に合わせて付属するACアダプターの出力が前モデルの65Wから一気に100Wまで引き上げられたり、サーマルアーキテクチャが増強された結果本体の厚みが0.5mm、重量が最大110g重くなったりと、少なからぬ代償を払っているようです。

Razer Blade Stealth 13

Razer愛が試されるデバイス?

今回のlate 2019モデル、そして(あまり取り上げる変化のなかった)Early 2020モデルにおいてRazerが犯した最大のミスは、値段だと思っています。GTXモデルの場合、タッチ非対応のフルHD液晶を搭載する最廉価モデルですら209,800円という強気すぎる価格設定になっており、付け加えれば前モデル(Early 2019)と比べても税抜で6,000円程度高くなっています。

仮に貴方が重度ではなくてもそれなりにゲームを楽しむ愛好者だったとして、「快適にゲームができるPCが欲しい」と考えたとしても、費用対性能でみてBlade Stealthより優れたゲーミングノート、すなわち選択肢が沢山あるということを忘れてはなりません。

GTX1650搭載ノートPCの価格比較
vs. MSI Prestige 14

  Razer Blade Stealth MSI Prestige 14
 
CPU Core i7-1065G7 Core i7-10710U
GPU GTX 1650 Max-Q
液晶 13.3インチ/フルHD 14インチ/フルHD
サイズ 304.6×210×15.3mm 319×215×15.9mm
重量 1.39kg 1.29kg
価格 209,800円〜 168,080円

vs. MSI GF63-10SCXR

  Razer Blade Stealth MSI GF63-10SCXR
 
CPU Core i7-1065G7
(IceLake)
Core i7 10750H
(Comet Lake)
GPU GTX 1650 Max-Q
液晶 13.3インチ/フルHD 15.6インチ/フルHD
サイズ 304.6×210×15.3mm 359×21.7×254 mm
重量 1.39kg 1.86kg
価格 209,800円 124,800円

vs. Dell G3 15

  Razer Blade Stealth Dell G3 15
 
CPU Core i7-1065G7
(IceLake)
Core i7 9750H
(Coffee Lake Refresh)
GPU GTX 1650 Max-Q GTX 1650
液晶 13.3インチ/フルHD 15.6インチ/フルHD
価格 209,800円 130,980円〜

例えば、同じGTX 1650(Max-Q)を搭載する「MSI Prestige 14」はRazer Blade Stealthとほぼ同じスペック構成で比較しても4万円以上安く手に入れることができるし、「Dell G3 15」は第9世代Coffee Lake RefreshのCPUを搭載していますがベンチマーク上はBlade Stealthが搭載するCore i7-1065G7よりも性能が上で、かつ7万円以上安く入手可能となっています。

こうした事情を考慮すると、このモデルを買って恩恵を得られるのは「どうしても13インチという画面サイズでゲームがしたい」という人か、Razerというブランドによる付加価値を実感できる人に限られることになります。元々他モデルより高い価格帯であるにも関わらず、近年は新モデルが出るたびに値段が引き上げられている状況、流石にこの傾向は受け入れ難いと言わざるを得ません。

直近の3モデルでRazer Blade Stealthのグラフィック性能およびゲーム性能が大きく向上したのは確かです。ところが現状は「ゲーマーのための、ゲームに特化したノートPC」にはなりきれておらず、むしろ「あくまでウルトラブックだけどゲームもちょっと得意なPC」という中途半端な立ち位置に収まっているように思われます。

せっかく申し分ないスペックとデザイン性を兼ね備えているのですから、2020年後半(または来年度)の新モデルではスペックをそのままにどれだけ価格を抑えることができるか、ここに期待したいと思います。

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