かねてよりボクが推し続ける至高のモバイルバッテリー、 「Omni 20 USB-C」 がさらなる進化を遂げて帰ってきた。 身の回りのデバイスをType-Cで統一してきたボクにとって、 今や彼の存在なしに快適なガジェットライフは成り立たない。
Omni 20 USB-Cは小柄かつミニマルなその容姿に反して、 大容量のバッテリーを備えType-Cデバイスを単体60Wで急速充電できる食わせ者であった。 名前通り機能を+(プラス)した新型は、 新たにワイヤレス充電機能を搭載し盤石さに磨きがかかっている。
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Omnicharge|Omni 20 USB-C+
「Omni 20 USB-C+」 はOmnichargeが提供する優れたモバイルバッテリーの中でもプロフェッショナルラインに属するプロダクトだ。 USB-Aポートに加え2つのパワフルなType-Cポートを備え、 スマホからMacやハイエンドPCなど要求の厳しいデバイスまで、 あらゆる端末に電力を供給する万能性にこそその所以がある。
そもそもモバイルバッテリーというジャンル自体機能性に特化したものであって、 外出先で常にスマホを使えるようにするための”予備電源”、 それ以上の意味なんて存在しないし、 ましてや愛着が湧くような類のプロダクトではない —— そんな既成概念を打ち砕いたのがOmni 20 USB-Cのコンセプトであり、 ボクを長年虜にするOmniシリーズの魅力でもあるのだ。
前モデルから継承されたミニマルなデザインは、 その代表例である。 Type-AとType-Cポートがそれぞれ2つずつ機能的に配置され、 側面中央にはバッテリー残量や出力強度を表示するOLEDディスプレイが据えられた。 従来より若干増して20,400mAhの大容量バッテリーを備えるが、 その割に随分と小ぶりな見た目は秘められた性能を上品に主張する程度である。
美しいプロダクトデザインは、 それだけでこのモバイルバッテリーに愛着を持つには十分すぎる理由だ。 なおかつ、 Type-Cポートはいずれも高出力を可能とするPD(Power Delivery)規格に対応し、 片方は最大100W、 もう一方は最大60Wの出力(そしていずれも45Wの入力)に対応する。
最大出力が60Wに制限されていた従来のモデルは、 それでもボクの愛用する13インチMacBook Proを充電するには十分すぎる出力と容量を備えていたが、 新型では15〜17インチ級のハイエンドPCをもカバーする勢いである。 気軽に持ち運べるパワーバンクとしては、 これ以上ない性能といえよう。
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可能性を持ち運ぶ
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同じプロラインナップに100WのAC電源出力を特徴とする 「Omni 20+」 があるが、 こちらにしかない、 すなわち2つの製品を大きく区分する機能の一つに 「USBハブ」 としての使い方がある。
言い換えれば、 このプロダクトは単なるモバイルバッテリーとしてだけでなく、 備え付けられたポートを駆使してノートブックの強力なお供、 データをやり取りするための”拠点”として用いることができるのだ。
Macの端子類がType-Cに統一されたあの瞬間から、 ハブなしにはデータのやり取りもままならない状況が多くのユーザーにとって悩みの種となっている。 そういう立場になってみると、 幅広く様々な機能を包含するOmni 20 USB-C+という選択肢はいくらか建設的な提案として受け入れられよう。
万能なパワーバンク
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極めつけは最大10WのQi規格ワイヤレス充電であり、 かねてからの期待が実を結び今モデルからついに実装された形となる。 MacBookにiPad Proと複数のType-Cデバイスを持ち運ぶボクにとってOmni 20 USB-Cがまさに理想的な存在であったことは間違いないが、 同時にユニバーサルを追求するそのコンセプトと独自規格を貫くiPhoneやAirPodsは相性が悪く、 その扱いに苦慮してきたのもまた事実である。
そこに用意された 「ケーブルレスの電源供給」 という新しい選択肢は、 こうした煩わしさを一気に解決してくれた。 これによりOmni 20 USB-C+は晴れて 「万能なパワーバンク」 としてのアイデンティティーを体現したと、 そう自信を持って言えるようになった。
愛着が持てる 「モノ」 としての品性を確かに宿しながら、 主張しないシンプルなデザインに際立つその美しさたるや。 使い手や状況を選ばず、 フレキシブルな手段を駆使して常に平等な電源供給の場を提供する —— これこそモバイルバッテリーの本来あるべき姿ではなかろうか。