Review

XPS 13 2020(9300) はデザイン・性能ともに素晴らしく、Windows PCの第一選択だ:実機レビュー

デルは従来のデザインを一新した「新しい」XPS 13を用意した。前代の時点で既に高い完成度をみせていたが、2020年モデルでは細かな部分がさらに改良され、欠点を見つけるのが難しい程素晴らしい一品に仕上がっている。 本レビューでは実機に触れながら、XPS 13 9300(2020年モデル)の特徴に触れていこうと思う。

「XPS」シリーズは、デルのコンシューマー向けPCにおいてスタンダードモデルである「Inspiron」の上位にあたるプレミアムブランドだ。

これまでKissanaduではデルというベンダーの性質を背景に、複数の視点からXPSの魅力を深掘りしてきた。今や同ブランドの代名詞となった狭額縁のディスプレイはもちろんのこと、堅牢なキーボードやトラックパッドなど随所に垣間見える優れたビルドクオリティーは、数あるWindows PCのなかでもXPSの地位を確かなものにする所以である。

デルといえばB to B(Business to Business)のイメージが強いかもしれないが、XPSはその製品群においてB to C(Business to Customer)、特にプロダクトデザインを主題に据えた象徴的なラインナップなのだ。

そして今、デルは従来のデザインを一新した「新しい」XPS 13を用意した。前代の時点で既に高い完成度をみせていたが、2020年モデルでは細かな部分がさらに改良され、欠点を見つけるのが難しい程素晴らしい一品に仕上がっている。

本レビューでは実機に触れながら、XPS 13 9300(2020年モデル)の特徴をみていくことにしよう。


XPS 13 レビュー

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デザイン

XPS 13 2020(9300) はデザイン・性能ともに素晴らしく、Windows PCの第一選択だ:実機レビュー

XPS 13 2020(左)とMacBook 12(右)。サイズはほぼ同等だが、ベゼルが細い分XPSの画面サイズがより大きくなっている

新しいXPS 13(2020)のプロダクトデザインは総合的に見て非常に質が高く、そして何より美しい。13型ノートにしてはかなりコンパクトに作られているようで、その印象は12型のMacBookを隣に並べた時確信に変わる。

XPS 13 2020(9300) はデザイン・性能ともに素晴らしく、Windows PCの第一選択だ:実機レビュー

XPS 13 2020(9300) はデザイン・性能ともに素晴らしく、Windows PCの第一選択だ:実機レビュー

小柄な筐体に良いアクセントを与えているのはアルマイト加工が施されたくさび型の金属エッジであり、プレミアムラインを名乗るに相応しい高級感を味合わせてくれる。

本モデルで特徴的なのは、片手で筐体を開けるようになったことだ。従来モデルではカバーを開くのに両手で上下面を抑える行程が必要だった。些細な変化かもしれないが、ラップトップで日常的に作業をする人にとって使い勝手を大きく向上させる良いアップデートだと考えている。

XPS 13 2020(9300) はデザイン・性能ともに素晴らしく、Windows PCの第一選択だ:実機レビュー

およそ1.2kgという絶妙な重量感が片手開きを可能にしてくれる

前代まで搭載されていた側面のバッテリー残量を示すインディケーターは、本モデルになって姿を消した。これまで他のラップトップを使っていた人からすれば気になることではないが、XPSユーザーの中にはこの仕様変更をよく思わない人もいるだろう。

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XPSの特徴でもあったバッテリーインディケーターは本モデルから姿を消した。左:2019年モデル 右:2020年モデル

前モデルから引き続き、フロスト&アークティックホワイトとプラチナシルバー&ブラックの2種類が用意されている。XPS独特のカーボンファイバー仕上げ(ブラック)については好みがわかれるところかもしれないが、少し弾力があり柔らかなパームレストは多くの人が使ううちに慣れ親しむことができるだろう。なお、ホワイトとブラックで仕上げと触り心地が若干異なる点は留意した方が良いかもしれない(ホワイトはファイバーグラス仕上げ)。

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プラチナシルバー&ブラックは独特の触り心地が特徴のカーボンファイバー仕上げ。従来モデルよりやや抵抗が減り、傷跡がつきにくくなった

ディスプレイ

XPS 13 2020(9300) はデザイン・性能ともに素晴らしく、Windows PCの第一選択だ:実機レビュー

16:10の4面狭額縁ディスプレイが使い手にスタイリッシュな印象を与える

「狭額縁」の衝撃と共に登場したXPS 13の2015年モデルから5年、最新モデルではついに4面すべてのナローベゼル化を実現し、Infinity Edgeディスプレイの完成をみた。

従来モデルと比べ筐体サイズは若干小さくなる一方、ディスプレイサイズは大型化し13.4インチになった。さらに特筆すべきは従来の16:9から16:10へと垂直方向に伸びた表示領域で、Webページや各種ドキュメントを初め縦スクロールに依存するコンピュータの使用形態においてはよりマッチする比率といえよう。

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レガシーな16:9比率を採用していた従来モデル(左)に比べ、最新モデル(右)では端ギリギリまで拡大された16:10の大型ディスプレイが作業効率を高めてくれる

色彩表現は鮮やかで、これまで見たどのラップトップよりも正確だ。本モデルには解像度1920 x 1200でタッチ非対応のフルHDディスプレイと解像度3840×2400でタッチ対応の4Kディスプレイ、2つの選択肢が用意される。13インチに4Kディスプレイを搭載するメリットは少ないように思えるが、Photoshopで写真のレタッチや現像をする際はその効果を確かに実感できるし、4KHDRオプションでYoutubeを見る優越感も一度は味わっておきたいものである(4KディスプレイはDisplayHDR 400に対応している)。

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インターフェース

USB-C(Thunderbolt 3)ポートは昨年モデルから一つ減って両側面に一つずつ、計2つとなった。加えて、右側面にはmicroSDカードスロットを備えている。構成だけをみるならSpectre x360 13やMacBook Airに近いかもしれない。少なくとも、沢山の外部機器を接続する人にとってはアダプターがほぼ必須になるだろう。

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右側面:USB-C(Thunderbolt 3)、microSDカードスロット
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左側面:USB-C(Thunderbolt 3)、ヘッドホンジャック

パソコンで写真を現像する機会の多い僕のような人間からすれば、カメラ内のデータを即座にパソコンへと移せるmicroSDリーダーの存在は有難い。近頃はデータ移行のクラウド化が急速に進んでいるが、容量の大きいRAWデータを瞬時に転送できるほどのポテンシャルは未だ有していないのだ。

指紋認証・顔認証

XPS 13(2020)はWindows Helloの指紋認証と顔認証、両方に対応している。指紋認証兼電源ボタンは筐体の小型化に伴いキーボード上端にその座を移し、キーボード周りの一体感が従来モデルに増して強調された。

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画面上部に配されるのは顔認証を兼ねる720pフロントカメラ

顔認証機能を兼ねるウェブカメラはディスプレイ中央上部に収まりよく配置されているが、解像度は従来モデルと同じ720pであり「Zoom」で画質を自慢するのは難しいかもしれない。顔認証の速度に関しては遅延を殆ど感じない程に良好で、個人的には指紋認証の利便性を差し置いてこちらを使う頻度が圧倒的に多くなっている。


キーボード

本体サイズの小型化に伴いXPS史上最も狭くなった筐体幅は、キーボードの質にしわ寄せがかかる懸念を抱かせた。実際は驚くべきことに、従来モデルに増して使い心地が向上している。

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実測19ミリのフルサイズキーボードは設計・キーレイアウト共に従来モデルから刷新され、面積も9%拡大した。これを実現するためにキーボードは筐体幅ギリギリまで拡張されており、その見た目は12型MacBookを彷彿とさせる。

新しくなったキーレイアウトは非常に合理的で使いやすい。特に左右の矢印キーが大きくなる一方で専用の「PageUp」キーと「PageDown」キーが廃止され、押し間違いが格段に減少したのは大きな変化である。他には電源ボタンが組み込まれたことによりキーボード上端の配置が若干変化しているがいずれも致命的なものではなく、使っているうちに慣れることができるだろう。

XPS 13 2020(9300) はデザイン・性能ともに素晴らしく、Windows PCの第一選択だ:実機レビュー

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前モデル(左)まで搭載されていた「PgUp」「PgDn」キーが廃止され、一般的な矢印キーの配列になった(右)
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XPS 13 2020(9300) はデザイン・性能ともに素晴らしく、Windows PCの第一選択だ:実機レビュー

従来モデルではキーボード横に孤立していた指紋認証兼電源ボタン(左)が組み込まれ、キーボード上端に再配置された(右)

実際に打ち比べてみると、従来モデルと比べて打鍵感がソフトになっていることに気づく。というのも、XPSシリーズにおける”個性”の一つでもあった磁力浮遊式の「MagLev Keyboard」が本モデルからはしれっと廃止され、一般的なメンブレン式に戻されているのだ。個人的には「カチッ」という確かなフィードバックが返ってくるMagLev Keyboardの打鍵感が気に入っていたので少し残念ではあるものの、ラップトップで主流のメンブレンキーボードを採用したことは他メーカーのPCから乗り換える際のハードルが幾分低くなったことを意味している。

XPS 13 2020(9300) はデザイン・性能ともに素晴らしく、Windows PCの第一選択だ:実機レビュー

メンブレン式のキーボードが復活し、深いストロークとソフトな打鍵感に

とにかく、新しいキーボードの打鍵感は上々だし、静音性も抜群だし、総合的な質はかなり高いと思う。僕を含め多くの人がこのキーボードを好きになれるはずだ。

トラックパッド

従来モデルより若干大きくなっているが、体感では有意な差を感じない。むしろ大きく変わっているのはクリック感の方だ。従来モデルでは沈み込みが深く、「カチッ」という大きめの音を伴う強いフィードバックが印象的だったが、2020年モデルではよりマイルドに、クリック音はより静かになっている。

XPS 13 2020(9300) はデザイン・性能ともに素晴らしく、Windows PCの第一選択だ:実機レビュー

トラックパッドの正確性は高く、現行ラップトップの中でもかなり上質な部類に該当する

スピーカー

2020年モデルに搭載されているスピーカーはかなり性能が向上している。2019年モデルと聴き比べても、音質や低音の存在感に大きな違いが感じ取れた。同じハイエンド帯のラップトップ、例えば優れたスピーカーを内蔵するMacBook Pro(2018)等と比較してみると流石に譲る印象であるが、それでもラインナップ史上最も優れた音質を実現しているのは間違いない。


Dave Lee氏は新旧XPS 13とMacBook Pro 13のスピーカー性能を比較している。Video:Dave Lee – Youtube Channel

パフォーマンス

Ice Lake搭載の第10世代CPUを採用しており、パフォーマンスは申し分ない。独立GPU(dGPU)は搭載されず全モデル内蔵型(iGPU)であるが、左右に一つずつ配置されるファンが全体を効率的に冷却する仕様である。

気になったのは、ファンの音と排熱性能だろうか。ダブルファンが全開で回っているときは無視できない騒音に集中力を削がれてしまうことも少なくない。後者はヒンジ裏と背面に排熱口を設けることで対策としているが、Adobe系・レンダリングソフトの使用時はキーボードを打つ手に熱が伝わる程火照ってしまった筐体がユーザーを不安にさせる。

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GPU内蔵の4コアCPUを左右一つずつのファンで冷やす構造。SSDのみ換装可能になっている。Image:Dave Lee

なお従来モデルでオプションとして用意されていた6コアのCore i7-10710Uは本モデルから選択できなくなり、最上位は4コアのCore i7-1065G7となった(GeekBench平均スコアは以下の表を参照)。

Cinebench R15スコア

Default
機種
(型番)
シングル マルチ
Zenbook 15
(i5-10510U)
200 1,819
XPS 13 2020
(i7-1065G7)
184 1,723
XPS 13 2-in-1
(i7-1065G7)
182 1,630
Blade Stealth 13
(i7-1065G7, 25W)
171 1,707
HP Spectre x360
(i7-8565U)
169 1,364

Adobe Premiere Pro

4K13分のMP4ファイル H.264 エクスポート
機種
(型番)
時間
Zenbook 15
(i5-10510U+1650)
18:37
Blade Stealth 13
(i7-1065G7+1650)
19:03
XPS 13 2020
(i7-1065G7)
50:05
XPS 13 2-in-1
(i7-1065G7)
52:31
HP Spectre x360
(i7-8565U)
1:27:00
以上のデータ値は、Hardware Canucksの計測値を引用。環境や機種のパフォーマンス次第で値の変動がある

内蔵グラフィックスに関してはIntel UHD Graphics又はIntel Iris Plus Graphicsの二択を迫られるが、どちらもGeForce MX250やMX330などの独立型に性能で及ばない。一部を除いて、大多数のゲームは快適にプレイすることもままならない可能性が高い。またHardware Canucksの計測では、動画のレンダリングなど特定の負荷下において他機種に比べて著明に処理能力が低下する現象も指摘されている。

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ヒンジ裏に配置された排熱用のスリット

SSD・メモリ

SSDは512GBと1TB、メモリは8GBから最大16GBまでのオプションが用意される。有難いのは、本モデルでもSSD(M.2)の換装が可能になっている点だ(同じXPSでも2-in-1の最新モデルはSSD交換ができなくなっている)。一方でメモリはオンボードのため、購入前に熟考を迫られるだろう。

バッテリー

内蔵バッテリーは52Whで、45W出力のACアダプターが付属する。4Kモデルはやはり消費電力が大きく、フル充電からの通常使用でも10時間は持たないといった様子である。かといってすぐにバッテリーが切れる印象もないため、用途に依るとはいえ持続時間は平均的になりそうだ。

なお、the比較のテストではフルHDモデルのバッテリー持続時間が4Kモデルに比べおよそ4〜6時間ほど長い結果となっていることから、コストパフォーマンスではフルHDモデルに軍配があがるといえよう。

XPS 13 2020(9300) はデザイン・性能ともに素晴らしく、Windows PCの第一選択だ:実機レビュー

価格

他メーカーのハイエンドPCと比較しても、XPS 13(2020)はリーズナブルな価格帯に収まっているといえる。デルのハードウェアをみる上で安価な値段設定は外せない魅力であるが、その強みは最新モデルでも着実に活かされているようだ。1TBストレージが20万円前後で手に入るメリットは大きく、予算に余裕があるなら16GBRAM、1TB SSDの構成を選ぶのが良いかもしれない。

同価格帯でのスペック比較

機種 スペック 価格
XPS 13 第10世代Core i7-1065G7
16GB DDR4, 1TB SSD
207,980円
MacBook Pro 13 第10世代Core i5-1038NG7
16GB DDR4, 512GB SSD
208,800円
Spectre x360 13 第10世代Core i7-1065G7
16GB DDR4, 1TB SSD
204,800円
Blade Stealth 13 第10世代Core i7-1065G7
1650Ti MaxQ 4GB DDR6, 512GB SSD
217,091円(税別)

総括:Windows PCの第一選択

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XPS 13(2020)

総合的にみて、XPS 13(2020)の完成度は恐るべき程に高い。XPSというブランドそのものが、これまで企業向けの機能性重視なハードウェアを得意としてきたデルにとって新たな挑戦であった。それはコンシューマー向けの、プロダクトデザインに主軸を置いたラインナップであり、最新モデルでは他の機種を凌駕するレベルにまで洗練された造りが使い手を魅了してくれる。

Windows PCといえば最近は2-in-1スタイルのSurface ProやXPS 2-in-1等が注目を集めている印象だが、王道のクラムシェル型を守りつつ必須要素を漏れなくおさえるXPS 13はWindowsラップトップを選ぶ際多くの人にとって第一候補になるはずだ。


「デル アンバサダープログラム」について

XPS 13 2020(9300) はデザイン・性能ともに素晴らしく、Windows PCの第一選択だ:実機レビュー

今回レビューに使用したXPS 13(2020)は、デルアンバサダー限定のモニター企画で貸与いただきました。アンバサダーには誰でも登録可能で、限定イベントや企画に参加できたり、デル製品を通常より安く購入できたりと特典が盛り沢山。デルに興味のある方は是非参加してみてはいかがでしょうか。