ガラスフィルムは分厚いしタッチ感度が悪くなるから嫌だ!—— そんな貴方に朗報です。薄くて主張しない樹脂フィルム、なおかつ透明度91.5%。期待を込めて、エレコムのiPad Pro用高光沢フィルムをレビューしたいと思います。
エレコム「ファインティアラ 超透明フィルム」
パッケージには「超透明」の文字がでっかく印字されていて、同時に透明度の高さが特徴のパナソニック製ファインティアラを採用しているとの文言が。いかほどに透明なのか、つける前からとてもワクワクします。
付属品は、フィルム本体の他にクリーニングクロス、ホコリ取り用のシール、そして気泡を抜くためのヘラというオーソドックスな構成。
保護フィルムの方はこんな感じ。ガラスフィルムと違って簡単にしなるというか、ペナペナした樹脂フィルム独特の質感ですよね。触った感じは非常に薄くて、かつとっても軽いです。
エレコムからはiPad Pro 2018年モデル用に同名の製品が出ていますが、2018・2020年モデルで筐体の仕様は共通しているので、こちらも使うことができます。
ただし2018年用はiPadの画面全体を覆う形状のフィルムであるのに対し、2020年用のフィルムはインカメラのセンサー部が切り抜かれた形状をしています。質感に大きな差異はないようですが、Face IDを確実に動作させたいのであれば後者がおすすめかもしれません。
2020年モデル用はインカメラ部分がくり抜かれた形状をしている
樹脂フィルムなので柔軟性が高く、ガラスフィルムと比べて貼る際に少し苦労するかもしれません。僕の場合は慣れてしまったからかもしれませんが、貼り始めた段階でちゃんと位置合わせをしてしまえば樹脂フィルムでもわりかし簡単に、そして綺麗に貼り付けることができると思います。
見え方・触り心地はどう?
さすがは透明度の高さを謳うだけあって、フィルムを貼った後でも画質の低下は全く感じなかったし、画面が曇っているような感覚もありませんでした。これは良き。
光沢フィルムの是非は使い手の好みによるところですが、普段ノングレアフィルムを使っている僕からしても、光沢ならではの発色の良さと高級感には目を惹かれるものがありました。ただ反射はもちろんのこと外界を常に映し込む性質があるので、晴れた屋外などで使うと画面が見えにくくなることもしばしば。
光沢フィルムならではの反射が目立つ
タッチ感度やスワイプの精度に関して特に支障はなく、それどころか元々の画面にかなり抵抗があってスワイプにも力がいるし指紋はつくしイライラ…という感じだったので保護フィルムを貼ってからむしろ使い心地が良くなった、というのが正直な感想です。
裸の状態に比べて指紋は明らかにつきにくくなりましたが、Amazonでは長期使用で指紋がつくようになったとのレビューもあったので何とも言えないかな。樹脂フィルムの性質上、使っていくうちに質感や見え方が多少変化する可能性はあると思います。そこを含めて、このフィルムを使っていく気になるかどうか。
Apple Pencilでの書き心地
ライティングの書き心地は「悪くない」です。とはいえ裸使用時よりも摩擦力が明らかに落ちている(=滑りやすい)感覚があるので、ペン先の引っ掛かりがほとんどなく、紙媒体と同じように文字を書くのは難しいと思いました。
独特の書き心地に慣れが必要
このフィルム、タッチ操作には優しいんですけどスタイラスにはちょっと冷たいです。紙の沈み込む質感とは真逆の、コツコツ…という硬い感じ。そしてツルツル滑る表面が原因で、ライティングするとどうしてもストレスを感じてしまうんですよね。
Apple Pencilの使い心地にこだわるのであれば、いわゆるペーパーライクフィルムのような特化型の保護フィルムを選択するのが賢明だと思います。
九条ハル
でも慣れると案外スラスラ書けるようになるぞ!走り書きにはたまんないんだ、この質感!
用途次第で向き不向きがありそうね。
メロ
ガラスフィルムにありがちな野暮ったさがない
ガラスフィルムって透明度と強度は十分なんだけど、分厚くて存在感のあるタイプが多いですよね。その点エレコムの光沢フィルムは高い透明度を確保しながらも、樹脂フィルムならではの薄さ・軽量さをしっかり兼ね備えているのが強みだと思います。
これは不思議なジレンマなんですけど、長いことノングレアフィルムを使っていると、ふと光沢フィルムに戻りたくなってしまう瞬間があるんですよね。
映り込みを防いで視認性を上げてくれるノングレアフィルムの特徴は気に入っているのですが、光沢フィルムの美しい見た目と鮮やかな発色もまた捨てがたい。
エレコムのiPad Pro用「超透明 ファインティアラ採用 高光沢フィルム」。それなりの値段はしますが、iPad Proユーザーは一度試してみる価値があると思いました。