2019年夏モデルの本命として大手3キャリアから発売されるSONYの新型フラッグシップスマホ「Xperia 1」。早速購入を検討されている方もいるのではないでしょうか。 停滞が続いていたXperiaブランドに一筋の光、経 ...
きさみん
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2019年夏モデルの本命として大手3キャリアから発売されるSONYの新型フラッグシップスマホ「Xperia 1」。早速購入を検討されている方もいるのではないでしょうか。
停滞が続いていたXperiaブランドに一筋の光、経営陣の刷新をきっかけに、部署間の対立を乗り越えてソニーの持てる技術を結集した真のXperiaがついに誕生します。
Xperiaのイメージを形作るアイコニックなデザイン
一目でソニーのスマホ、とわかる見た目を意識して作られたという、21:9のシネマワイドディスプレイ。
スマホなのに4K HDRにまで対応する驚愕の有機ELディスプレイには切り欠きもノッチも存在せず、コンテンツ体験を重視した同社のこだわりが垣間見えます。
きさみん
そもそもスマホではブラウザもその他アプリも縦スクロール表示が基本ですから、21:9 表示により情報表示量が格段に増え、縦画面でのマルチウインドウも実用的になるなど、多大な恩恵がもたらされるわけです。
マルチウインドウを素早く起動できる専用アプリも実装されています。
3眼カメラ、瞳AF
長年沈みきっていたXperiaのカメラ性能も、今作では大幅な改善が見られます。
まずXperia初の3眼構成が採用され、1200万画素に統一された望遠・標準・広角の3カメラが搭載されました。
画像処理エンジンも刷新され、RAW段階でのノイズ低減処理機能を(ようやく)搭載。RAW保存(DNG形式)にも対応しています。
そして、ミラーレス一眼の王「α」シリーズ受け譲りの「瞳AF(オートフォーカス)」。瞳の動きを認識し自動でフォーカスを追従してくれる強力な機能です。
きさみん
オーディオ関連の進化
Dolby Atmos対応の立体音響システムを採用。映画事業部、ソニー・ピクチャーズエンターテインメントと協力し、音の立体感(音源の位置や音のムーブ等)を意識して設計されているのが特徴です。
そのパフォーマンスは内蔵スピーカーとヘッドホン出力の両方で実感することができます。Xperia 1のDolby Atmosでは「ダイナミック」「映画」「音楽」とシーン別の設定を適用することができ、加えてカスタム設定の適用も可能です。
クリエイターに向けた戦略
映像クリエイターや写真家にとって嬉しい連携機能も数多く搭載されました。
プロ向け映像制作で定評のあるソニーのCineAlta「VENICE」と同等のUIを備えるカメラアプリ「Cinema Pro」を標準搭載し、色調補正やマニュアルフォーカス、その他細かい設定機能により質の高い映像撮影を可能にしています。
Adapted from FlashingDroid
CineAltaやαのサブモニターとしてXperia 1を活用したり。αで撮影した写真に情報をタグ付けし、他者と共有することもできます。
「One Sony」に一歩及ばない点
「One Sony」の名の下にエレクトロニクス事業の再建を誓ってから9年。挫折に終わったはずだったそのビジョンは、今回初めてプロ向け事業の技術も取り入れてソニーの技術を再結集した「Xperia 1」によって再び輝きを取り戻したように思えます。
とはいえ、厳しさを増すスマートフォン市場を凌駕する存在としては今一つ足りない点があるのは否定できません。
特に最近はSamsungの「Galaxy」やGoogleの「Pixel」、HuaweiのPシリーズなど強力すぎるライバルがひしめいている現状です。
例えば、カメラ。既に市場のフラッグシップモデルは3眼以上が主流になりつつあって、特にGoogleやHuawei等カメラ性能に力を入れている企業も少なくありません。
実際にXperia 1と他社のフラッグシップ級のカメラ比較記事を見るに、張り合えてはいるものの画像処理・暗所性能などでやはり劣っている印象を受けます。
同じ価格帯の「Pixel3」や「Huawei P30 Pro」が他社の追随を許さない程高いカメラ性能を有していることを考えれば、やはりこの差は一部のユーザーにとって致命的になると。
ソフトウェアも、同じAndroidをベースにしているとはいえ他社の独自UIと比べるとやはり及びません。Xperia XZ3には搭載されていた「ワイヤレス充電」も見送られてしまいました。
こうした「あと一歩」の作りこみがスマホ全体の完成度を左右するところなのでは?と思わざるをえません。
一般層への魅力が足りない?
良くも悪くも「ソニーらしさ」を詰め込んだ結果、対象とするユーザー層が限定されてしまっているように感じられるのです。
今回ソニーが推す機能の多くはクリエイター、それもプロ向けの技術で、一般用途を想定した機能を見るとそれほど革新的なものがないことに気づきます。
10万円超えの価格帯という前提はあるにしても、一般のユーザーにとってインパクトのある特徴が少ない感は否めません。
ライバルは、Samsungの「Galaxy S10+」。同じ価格帯ながらXperia 1と比べ最大6GB多いRAM、800mAh多いバッテリー、ワイヤレス充電、指紋・顔認証、ヘッドホンジャックを搭載しています。
Xperia 1がユーザーにとって最善の選択肢となる理由を探さねばなりませんね。
これまでのソニーは部署間の対立を理由にXperiaと他ブランドの技術協力が存分にできないという何とももどかしい状態にありました。そんな障壁を取っ払うかのごとくコンセプトを一新したXperia 1。
一方でソニーのモバイル事業はここ何年も火の車。Xperiaブランドもいよいよ「後が無い」状況に追い込まれています。
ソニーの新経営陣が満を辞して放つ新型フラッグシップはこうした現状を打開できるのでしょうか。
きさみん