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M1チップで進化したMacBookシリーズ、購入するならどれを選ぶべき?知っておくべき3つのこと

アップルの独自チップ「M1」を全モデルが搭載し、パワーアップした最新のMacBookシリーズ。いま選ぶべき一台はどれなのか?知っておくべき5つのポイントを踏まえて解説、用途に適した「最高の一台」と出会うためのアドバイスを提供する。

MacBookシリーズの購入を考えているすべての方へ。用途に適う「最高の一台」と出会うためのアドバイスをまとめました。

今この記事を読んでくださっている貴方は何故、MacBookの購入を検討されているのでしょうか?MacOSの使い勝手、Appleデバイスでの統一、iMacのサブ機として、そして単純に格好良くて憧れだったから…等々、その理由を考えれば枚挙にいとまがありません。

ところが、貴方の用途次第では、最も相性の良いMacBookが全く違ってくる可能性も大いにあります。そこでおすすめなのが、どの機種がベストか?どんな構成が適しているか?を、自分の用途に応じて考えること。

本記事ではMacBookを選ぶ理由から、現行のラインナップ解説、そして用途別のおすすめモデルまで徹底的に紹介していきます。

MacBookを選ぶ理由

普段使いに最適化されたシステム

もともと集団作業の効率化をコンセプトに企業目線で開発されたWindows。一方でMacintosh(マッキントッシュ)は真性のパーソナルコンピューターとして作られ、常にユーザー目線の使いやすさを意識したアップデートが施されてきました。

現在はどちらも一般家庭で広く利用されていますが、プライベート利用に馴染みやすいOSとそれを支えるハードの組み合わせは、Macならではの魅力といえます。

最初のパーソナルPCに適している

Macの核たるオペレーティングシステム「macOS」は、UI・UX含むユーザーインターフェースの美しさ、またシステムの扱いやすさから定評を得てきました。デザイナーやクリエイターといった業界のプロが好んで使用する印象も少なからずあって、どこか初心者には扱いづらいものと思われがちなのが残念なところ。

実際はビギナーにこそおすすめしたい、慣れやすく親しみやすいOS——それこそがmacOSであると思います。これまでiPhoneやiPadを使ってきたなら、操作性の近いMacに慣れるのもそう難しくありません。

デザイナー・エンジニアに嬉しい環境

よく「デザインに強いMac」と言われる背景には、豊富なフォントシステムやデザイン全般の充実した開発環境があります。

macOSのベースであるUNIXはコンピューター向けのOSとして古い歴史を持ち、開発に携わるエンジニア・プログラマーに愛されてきました。特にiPhone・iPadにおけるアプリケーション開発やWebキット開発との親和性が高いこともあり、これからプログラミングをはじめたいという人にとってmacOSは有力な選択肢になります。

洗練されたプロダクトデザイン

スティーブ・ジョブズが最初のMacBook Airを発表(2008年)した時と比べて、現在のMacは「ブランド」としての特性を強く帯びるようになりました。すなわちMacを買うということは単に「PCを買う」ということ以上に、「高級なブランドものを買う」という感覚、付加価値を伴う行為として認識されつつあるのです。

価格の高さも皮肉的な一因ではありますが、このトレンドを後押しした大きな理由は洗練されたハードとそのデザインでした。筐体の美学は勿論のこと、他のPCに比べ高精細なディスプレイと使いやすさで群を抜くトラックパッドはMacBookシリーズの大きな特徴と言って良いでしょう。いまやソフトよりハードを理由にMacを選ぶ人が増えている、というのもアップルならではの興味深い一面です。

MacBookの選び方

外での作業、家での作業、どちらがメインか?

ノートPCですから、当然「持ち出しの頻度」が優先して考慮すべきポイントになってきます。出先にPCを持ち出して作業する場面が多いのであれば、少なくともMacBook Pro 16インチは選択肢から外れるでしょう。

16インチはモバイルノートというより、半据え置きで使うワークステーションとしての性格が強いためです。持ち運びは可能ですが、喫茶店の丸テーブルをそれ一つで占領してしまうサイズ感は非現実的ですし、何より2.0kgを超える重量がネック。頻繁に持ち出すとなれば他の荷物を削減するなど一定の妥協を迫られるでしょう(そもそも16インチが入るサイズのバックパックは種類が限られてきます)。

13〜14型は一般的なノートPCのサイズ感で、対応するケースやバックパックの種類も豊富にある。PHOTOGRAPH BY QUEST STAFF

高校・大学の授業で使用する、あるいはライトな書類作成やプログラミング、写真編集などの用途であれば13〜14型でも十分こなせます。A4サイズのバックパックでもすっぽり収まるサイズ感ですし、重量も1kgちょっとなので携帯性に優れていると言えます。

特に出先での作業がほとんどでバッテリー持ちを重視するのであれば、スペースを占有しない小ぶりなサイズ感と卓越したバッテリー性能をもつMacBook Airが有力な選択肢になります。一方で、自宅での作業が中心で持ち出す頻度がそれほど多くないのであれば、16インチを含め全モデルが選択肢になり得るでしょう。この場合、作業効率や用途を鑑みて自分に適したモデルを吟味せねばなりません。

画面サイズは作業効率に直結する

続いて考えるべきは「作業効率」です。例えばPhotoshopやLightroom、Illustrator、Premirere等のAdobeソフトは写真やベクターデータを見ながら細かい部分を修正したりすることが多いので、画面サイズの大きさが作業効率に直結する典型的なアプリと言えるでしょう。

他にも、プログラミングではコードとコンパイルした実行結果を横並びにしてリアルタイムで確認しながら作業するケースがありますが、このようなマルチタスキングは十分な画面領域がないとそもそも実現しません。

16インチ

13・14インチ

マルチタスクやアプリの作業性について群を抜いているのが、16インチモデルです。スペックのパワフルさもありますが、画面サイズが大きいというだけであらゆる能動的作業(写真編集、動画編集、プログラミング、ブログ執筆、etc.)における大幅な時間短縮をもたらしてくれます。

13・14インチでもマルチタスキング自体は可能ですが、作業効率では16インチに及びません。この場合、アプリ間の移動は主にウインドウ切替が担うことになるでしょう。狭い画面を2つのアプリで無理に分割するよりも、1つずつを最大ウインドウで開いて必要な時に行き来する方が便利なのです。

このように、画面サイズによって最適な作業スタイルが変わってくることには注意しましょう。

16インチの作業スタイル

16インチは複数のウインドウを1画面で開いてマルチタスクを行うのに長けている

13・14インチの作業スタイル

13インチでも画面分割によるマルチタスクは可能だが、内容次第で作業領域の狭さが気になることも多い

ウインドウは一つだけ表示して、タブや仮想デスクトップを利用してアプリを切り替えることも多い

ストレージとメモリだけは絶対に妥協しない

CPUやGPUよりもずっと慎重に考慮すべきなのが「ストレージ」と「メモリ(RAM)」です。MacBookシリーズは原則として購入後にストレージの換装やメモリの増設等ができません。そしてこの2つはPC作業に欠かせない構成要素であると同時に、「このPCはサクサク動く」「あのPCは動作がモッサリしてる」といった体感性能を決める要因になるのです。

PCを作業机に例えるならばストレージは「引き出しの容量」を指し、大きければ大きい程保存できるデータ量も多くなります。加えて、現在ストレージの主流規格となった「SSD」の構造上、ストレージ容量とPCの読み書き性能(データの転送速度)は概ね比例することが知られています。なお現行のMacBookは全モデルがSSDを採用していますから、ストレージの多いモデルほど沢山のデータを保存でき、かつデータの転送速度も高くなる訳です。

上記の理由から、ストレージをケチるのは間違いなくコストパフォーマンスを損なう行為と言えます。初めてのPCとしてMacを購入するのであれば、ストレージは高くても512GBか(筆者的には)1TBを選択するのが無難でしょう。そこでストレージが足りなくなるようであれば、次回の購入時は容量を一段階引き上げるのが得策です。

Macはストレージの一部を仮想メモリとして使用していますから、容量ギリギリの運用もまた性能を落とす要因になります。それゆえ、自分の想定する使用量より多めのストレージを選択して、常に50〜100GB程度余裕のある容量を保つことが重要です。

いま選ぶべき2つのモデル

2020年になって新たなフェーズに移行したMacBook。2006年から長らく採用し続けてきたインテル製のチップを捨て、独自設計のチップ「M1」に換装を果たしました。iPhoneやiPadと同じARMアーキテクチャーを採用し省電力性に優れている一方、従来に匹敵する強力なパフォーマンスを維持しています。

では現在ラインナップされているモデルのなかで、理想的な選択肢はあるのでしょうか。ピックアップしてご紹介します。

MacBook Air(M1、2020年モデル) : エントリーモデルなのに万能

M1チップを搭載する最新のMacBook Airは価格対性能のバランスで見て最も優れた選択肢といえます。インテル製チップを積んだハイエンドPCをも上回るパフォーマンスは圧倒的。「Safari」や「Chrome」などのウェブブラウザー、あるいは「Adobe Lightroom」などM1に最適化されたアプリなら、特にその傾向が強くなります。

さらに「Rosetta 2」というエミュレーションツールのおかげで、従来のアプリもM1搭載Macで利用することができます。特段の不具合や遅延はなく、ときにはインテル製のチップを搭載したMacより機敏に動作することもあります。

そして特筆すべきはバッテリーのもちが優れていることです。従来では半日強が限界だった連続使用も、M1チップを搭載するMacBook Airなら1日持ってくれます。

解像度が720pのウェブカメラは他のノートPCに比べて明確に劣っている点で、オンラインコミュケーションが増えた今では気になるポイントかもしれません。またM1チップの欠点として、接続できる外部モニターが1台まで等の制約もあります。

PHOTOGRAPH BY APPLE

MacBook Pro(M1 ProとM1 Max、2021年モデル) : 最強のMacBookを求める人に

2021年に発表されたMacBook Proは、16インチモデルと初の14インチモデルで構成されています。新たに搭載する「M1 Pro」と「M1 Max」はM1チップの強化版として位置づけられており、ノートPCの限界を超えたパフォーマンスを可能にしています。

新モデルでは「iPad Pro」に続いてミニLEDをディスプレイに採用。MacBookに初めて導入された「ProMotion」テクノロジーでは、リフレッシュレートを最大120Hzで動的に最適化してくれます。画面サイズは大型化されましたが、奇妙なノッチを残しています。フロントカメラの画質は720pから1080pに向上しましたが、iPhoneやiPadで採用されている「FaceID」には対応せず、「TouchID」の指紋による解除を引き続きサポートします。

さらに、他社の追随を許さない高品位の音質で定評のあるビルトインスピーカーも進化。低音域を80%多く再生できるほか、空間オーディオにも対応します。バッテリー駆動時間は14インチモデルで最長17時間、16インチモデルで21時間とこちらも驚異的。急速充電も新たに採用され、30分で最大50%の充電が可能になりました。

PHOTOGRAPH BY APPLE

「AppleCare+」への加入がおすすめ

「AppleCare+ for Mac」は3年の延長保証に加えて、電話によるサポートや2度までのサービス修理(11,800円)が受けられるサービスです。

MacBookシリーズはどれも高額ですし、構成パーツが少ないことから部分修理では済まないケースが多い傾向にあります。加入には23,800円が別途必要ですが、それよりもはるかに高い修理代を支払うリスクを考えれば十分に価値があります。